小学校の入学前の勉強はどうする?悩んでる保護者へ

小学校に入学する前の勉強について解説します。

保護者の関心としては、小学校の入学前にどこまで「読み書き」を教えるべきか
という点だと思います。

もっと具体的にいうと、

  • ひらがなは全部読めるようにするべき?
  • 数字は30まで数えられるようにするべき?
  • 時計は理解できたほうが良いの?

このあたりが中心になろうかと思います。

個別指導15年の経験をふまえてお話しさせていただきます。

小学校の入学前に焦って勉強させるのはNG

結論から申し上げますと、ひらがなで書かれた自分の名前を読めるだけで十分です。

入学前にドリルを買って、ひらがなや数字の勉強をさせるよりも、やるべきことがあります!

 

前半は、名前をよめるだけで十分である根拠、

後半は、勉強よりも重要なことが何なのかをお話しします。

※小学生には勉強がいらないという意味合いではありません。

子どもの脳の成長や、これから始まる学校生活を逆算すると、入学前に無理に勉強させるよりもコスパのよいことがありますよ~という意味合いです。

 

 

入学前の先取り学習に関しては、いろいろ意見があります。

肯定側の意見

・事前にやっておいたほうが、後から子どもが勉強に困らなくて済む

・最近は、どこの家庭でも読み書きの勉強は入学前にさせてる。だからやっておかないと授業でおいていかれる

反対側の意見

・先に教えすぎてしまうと、子どもが先生の話を集中して聞かなくなる。

わたしの立ち位置は、先に話した通り、入学前は「ひらがなで書かれた自分の名前を認識できる、よめるだけで十分」ということです。

たしかに、入学前にドリルを購入して、読み書きを教えてる保護者は多くなりました。

そういう家庭がふえてるので、小学校の先生もそれにあわせて授業を進めるスピードが上がるのではないか?
と心配されてる保護者が多いです。

これは、「心配ご無用」です。

できる子が多いから、早く進めるという相対的な判断は、小学校の教員はいたしません。

たしかに、集団形式ですから、中間層にスピードをあわせるという方法をとることはあります。
ただ、小学1年、しかも入学したての時期は、そのような方法では進めません。

小学6年間のスタートですから、とても大事な時期であることは先生方も強く認識されてますので、心配なさらなくてください。

お子さんが小学校に入学されたあとは、先取り学習させるよりも、復習に力をいれたほうが良いです。

「今日はどんなことを学校で習ったの?」という親子の会話が、子どもの表現力、説明する力を育てます。

入学前の先取り学習をすすめない理由は、もうひとつあります。

それは「数」の指導です。

言い方は悪いかもしれませんが、教育の素人がうかつにふれないほうが良いと考えてます。

「いち」「に」「さん」と数えられるようになるのが、ゴールではありません。
数の多い、少ないなどの概念を、子どもの中に育てながら、教えていくのが基本です。

「時計も分かるようにしておいたほうが良い」という意見もありますが、入学前に無理にやる必要はないです。

時計の概念を理解するのも、大人がイメージしてるほど、簡単なことではありません。
指導のプロに任せるほうが、よけいな知識をつけずに素直に授業を受けさせ、理解できるようになります。

ただ、「針がここに来るまでに、お着替えを済ませようね」という感じで時計を使うのはokです。

小学校に入学する前に定着させたいのが、できぱきと着替えをする習慣です。

これができないと、朝の準備で手間取り、学校では体育の時間前の着替えで手間取ります。

それには、タイムリミットを設けるのは効果的です。
子どもが数字を読めなくても、ココと指さして約束すれば良いだけです。

入学前は、勉強よりも親子の会話とスキンシップ!生きるチカラを育てる

小学校の入学前に「読み書き」が気になるとは思いますが、わたしはそれよりも大事なことがあると考えてます。

それは「自分の気持を相手に伝える練習」です。

幼児期は、周りの大人がフォローしてくれるので、ある程度説明が下手でもコミュニケーションが成立します。

ただ、小学校に入学したら、そうもいかなくなります。

「友達ができるか心配」というのは、親だけでなく子どもも不安です。

友達の輪に入れるかどうかも、自分の気持を表現できるかどうかにかかってます。

嫌なことがあったら、その気持を相手に伝えなければ、理解してもらえません。

小学校の入学前といえば、防犯きになるところです。

これだって、なにかあったら「助けて」といえることが大事です。

さらにいえば親子のコミュニケーションにも言えます。

親と学校の距離感を考えてみてください。

「保育園、幼稚園」は送り迎えも含めて、保護者と先生との距離感が近いですよね。

小学校になると、その距離は遠くなります。

親の頭から、予備知識が減るということです。

つまり、子どもの話してる内容が、理解しきれない部分もでてくるかもしれない
ということです。

子どもが、自分の気持を相手に理解してもらえるようになる力を育てる。

そのために必要なのは、語彙をたくさん覚えさせることではありません(いらないという意味ではなく、現段階で再優先事項ではないという意味合い)

子どもが親になんでも話して良い
という開かれた関係ができてるかです。

読み書きの勉強をさせるというのは、言い方は悪いですが、親としては簡単なんです。

逆に、自分の気持を表現できるようにさせる訓練は、ドリルでどうこうできるものでもなくふだんからの親子関係に大きく影響されます。

これから入学まで、テクニック的な勉強をさせるよりも、親子でスキンシップをとり、残りの時間を過ごすのがオススメです。

学校で習う勉強は、家で復習、フォローしてあげれば1年生からついていけなくなることは基本的にありません。

この時期にやっきになってテクニック的な勉強をさせるよりも
すべての学校生活で応用がきく習慣を、ゆっくり時間がとれる今育てるほうが
あとあと得することは多いと思います。

入学前は、保護者も不安でしょうが、子どもはその何倍も不安です。
親は、小学校を自分自身が体験してますが、子どもははじめてですから。

そんな不安定な時期は、できるだけ親子ですごす時間を増やし
スキンシップ、会話を楽しんでください。

あったくなってきたら、小学校までの通学路を手をつないで歩いてみる。

標識をみせて、あれは何かな?
と話し合ってみる

ここは車が急にでてきるから危険だね
と教えてあげる

いざとなったときに頼りになりそうな場所
例えば交番があったら
一緒にあいさつをしてみる

わたしの15年の個別指導の経験からいえば、入学の前後で親がやるべきことは

ひらがなや数を教えるよりも、こういう生きるチカラ、親子の関係を高めることだと確信してます。

不安を消すことは難しいでしょうが、学校って楽しそうなところだなと思える会話をする。


これがとても大事です。

ゴールデンウィークをはさむと、学校に行きたくないと騒ぎ出す子もでてきます。

特に今年は10連休ありますから、とても心配です。

だからこそ、入学前は、親子の絆を再確認し、そして楽しい学校生活があると子どもをワクワクさせ、もしなにかあっても即対応できるように、子どもが自分の気持を言葉にできる練習をしておくことが重要なのです。

アルパカ

「小中学の子育てナビ」は、お母さんがいつでも笑顔でいられるように、という思いで開設されたメディアです。

個別指導15年、1000人以上の子どもを教え、同時に保護者と接してきました。その経験をまとめました。仕事や家事で忙しいお母さんの負担を少しでも軽くできたら嬉しいです!
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