この記事は、子どもの数学の成績をあげたい保護者向けです。
どのように勉強させたら、テストの点数が上がるかを話します。
学年に関係なく中1~中3共通で使える知識です。
教科書の目次を使って、苦手克服のための地図を作ります。
視覚化することで、モヤモヤの原因がハッキリします。さらに克服までのルートが明確化することで、子どものやる気もアップします。
数学ができない子の特徴
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- 国語力が低い
- 基本計算ができてない、もしくは遅い
- 具体化と抽象化の行き来が不得意
- 変なプライドがある
- 数学にふれる時間が少なすぎる
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1.国語力が低い
数学は「数字」で思考する学問です。
思考するには国語力が必要。
数学が苦手な子の特徴として、国語力の低さがあげられます。
具体的にいうと、小学校で習う内容もあやしいです。
連立方程式で、2人で池の周りを回って追いつくまでの文章題があります。
・2人の歩く速さはバラバラで、同じ方向に進んだ場合
・2人の歩く速さはバラバラで、それぞれ反対方向に進んだ場合
問題文を読んでも、どういうシチュエーションなのか、さっぱりイメージできてないのです。
問題文を読んで、状況をイメージ化する力は、数学に必要です。(解き方以前に、必要な力が欠けてるのです)
2.基本計算ができてない、もしくは遅い
単元ごとに、おさえるべきポイントがあります。
計算力が低いと、そこに行く前に止まってしまう、もしくは時間や労力を使ってしまい、本来かけるべき部分にエネルギーがさけません。
これでは、単元のポイントをおさえられません。
まず最低でも、小学生の基本計算は確実、かつ早くとけるようにしないといけません。
3.具体化と抽象化の行き来が不得意
数学は定理をおさえて、それを個々の事例にあてはめて問題をときます。
具体的な事例を、どの問題にも使えるエッセンスとしてまとめた(抽象化した)ものが定理です。
数学が苦手、できない子は「具体化と抽象化の行き来」があまり得意ではありません。
4.変なプライドがある
中3数学ができない理由は、中2数学ができてないから。
中2数学ができない理由は、中1数学ができてないから。
中1数学ができない理由は、小6数学ができてないから。
このように、数学はできない理由が明確な教科です。
前学年のヌケを探して対応しないと、いつまでもできないまま。
じゃあ、前の学年のテキストで勉強しよう!
というと嫌がる子が多いです。
中3生に、中2用をもたせるならまだ良いのですが
小学生用は恥ずかしくて持ちたくないとダタをこねる子もいます。
変なプライドが原因で前学年の復習がおろそかになる傾向があります。
5.数学にふれる時間が少なすぎる
数学ができるようになるには、絶対的に必要な時間数があります。
数学ができない、不得意な子にもいろいろなパターンがあります。
どの教科もまんべんなく成績が悪い子
英語や国語は成績で5はとれるのに、数学は3や4の子もいます。
共通してるのは、数学の学習時間が少なすぎること。
できないと、おもしろくないですから、時間も少なくなるのは分かります。
ただし、受験は数学で決まると言われるぐらい、得意な子でも時間をさかないといけない教科です。
できない子なら、最低でも勉強時間を確保しないとできるようになりません。
宝(数学点数アップ)の地図を作ってみよう!
小学校の100マス計算のイメージが強いせいか、練習問題を愚直に繰り返せば数学の成績は上がると信じて疑わない人が多いです。
たしかに、苦手な単元の練習問題を繰り返すことは重要です。しかし、できない理由をきちんと把握せず、力ずくで覚えるというのは効率が悪い勉強法です。
中学数学は、各単元のつながりを意識して学習計画をたててから勉強するのが鉄則です。
「タテ」と「ヨコ」のつながりの話しをします。
「タテのつながり」とは、教科書に登場する順番
中1の教科書なら「正の数・負の数」「文字式」「1次方程式」という順番で書かれてあります。
数学の知識を効率よく習得できる順番で各単元は登場します。これが「タテのつながり」
「1次方程式」
↑
「文字式」
↑
「正の数・負の数」
「ヨコのつながり」とは、各学年の関連性
数学は積み上げ型(ピラミッド型)の教科と言われます。つまり各学年の内容が単独で存在するのではなく、つながりをもってるということです。
具体的にいえば
「1次方程式(中1)」⇔「連立方程式(中2)」⇔「2次方程式(中3)」というつながりです。
具体例:中2の連立方程式が苦手な場合
中学数学のタテとヨコのつながりの話が終わりましたので、具体的な戦術の話をします。
例えば、あなたのお子さんが中2の「連立方程式」が苦手だとします。
まずは、苦手克服のための地図を作成します。
このとき使うのが「タテ」と「ヨコ」の知識です。
ステップ1:現学年の苦手単元までのタテのつながりをまとめる
連立方程式:各パターン法
↑
文字式の利用
↑
式の計算:単項式の乗法と除法 式の値
↑
式の計算:多項式の計算
↑
式の計算:単項式と多項式 同類項
ステップ2:ヨコのつながりをまとめる
「1次方程式(中1)」⇒「連立方程式(中2)」
ステップ3:ヨコとタテのつながりをまとめる
1次方程式(中1)」⇒「連立方程式(中2)」
↑
文字式の利用
↑
式の計算:単項式の乗法と除法 式の値
↑
式の計算:多項式の計算
↑
式の計算:単項式と多項式 同類項
ステップ4:知識の欠損部分を探す
どこかに知識の欠けてる部分があるはずです。
順番に探していきましょう。
タテとヨコ、どちらから攻めるかはケースバイケース
指導経験の長い塾講師であれば、連立方程式を目の前で数問とかせれば
どの単元の知識が欠けてるかはすぐ分かります。
今回は、保護者が指導する前提なので、単元の地図を作るところからはじめてます。
まずは、タテの関係を理解してるかをチェックしましょう。
各単元の問題を数問とかせて正解率を記録していきます。
まずは全体感をつかむために、テストをやったほうが早いです。
タテのつながりで、苦手な単元がみつからない場合は、「方程式」という概念自体を理解してない可能性が高いです。
この場合はヨコのつながりを確認します。
中1の「1次方程式」の理解度を確認してください。
タテとヨコのつながりチェックで問題が見つからなかった場合
「連立方程式」自体の知識が欠けてます。
考えられるのは、授業中に先生の話を聞いてなかった。勉強してない。(中2の中だるみ)
もしくは、先生の説明が分かりにくかった。
この場合は、方程式の内容を復習させます。
1次方程式の正解率が低かった。
この場合は「1次方程式(中1)」の克服が最重要課題になります。
このときとる戦術は2つあります。
ひとつは「1次方程式」そのものを攻めること。
もうひとつは「1次方程式」の外堀をうめること。
外堀をうめる場合は、「1次方程式用」の地図を準備する必要があります。
やり方は同じです。
タテのつながり
方程式とその解き方
↑
文字式の利用
↑
1次式の計算
↑
文字を使った式
↑
四則計算
↑
除法
↑
乗法
↑
加法と減法の混合
↑
加法、減法
↑
正の数、負の数
ヨコのつながり
ヨコの関係は小学校で習う算数の内容になります。
どの単元を復習するかは、タテのつながりを確認しながら判断します。
例えば、四則計算までの内容が苦手なら、
小6の分数、小5の小数という感じで、直接必要なものをピックアップします。
「タテ⇒ヨコ⇒そのもの」という順番で進めましたが、この通りにやらなくてもokです。
これまでの定期テストの点数が80点以上であるなら、タテやヨコの確認よりも、連立方程式そのものの知識の欠損を疑うのもアリです。
苦手克服の地図をつくるコツ
タテのつながり
「苦手な単元から前に戻る」が原則。
ただし、戻る範囲は同じ属性内にとどめること。
中学数学の属性は4タイプです。
「数と式(計算と文章問題)」「関数(グラフ)」「図形」「資料の活用」
「図形」が苦手な場合、「数と式」に戻ってもあまり意味がないということです。
唯一の例外は「数と式」と「関数」です。この2つは、関連性が非常に高いです。
例えば、反比例は分からない子の場合、分数の概念が習得できてないケースが多いです。
なぜなら反比例は
y=a/x
という基本公式を利用するからです。
「3は2より大きい」というのは分かっていても
「1/3は1/2より小さい」というの理解できてないということです。
もしくは分数の計算自体が苦手な子もは反比例では点数を落とします。
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