自分の子どもが「創造性豊かな大人に成長してほしい!」と願う親は多いです。小学生や中学生に聞いても、iPhoneを販売するアップルや検索エンジンのグーグルなどで働いてみたいと語る子もいます。会社名まで指定せずとも、科学者とかゲームクリエイターとか、技術者(エンジニア)などクリエイティブな仕事が人気職業にランクインします。
子どもが将来どういう職業に就くかどうかは分からないにしても、想像性や考える力を伸ばしてあげたいと考えるのは親として自然なことです。今回は「親が子どもに何をしてあげられるのか?」という部分に絞って解説してみたいと思います。
ゼロから考える、創造できる人はいない
まず親が勘違いしてはいけないことがあります。それは「クリエイティブな活動で無から始まるものはほぼナイ」ということです。
創造性というキーワードに対して「無から有を生み出す活動」と考えてしまう人が多いです。
辞典で「想像」の意味を調べてみると以下のよう内容であることが分ります。
1 新しいものを初めてつくり出すこと。「文化を創造する」「創造的な仕事」「創造力」
2 神が宇宙・万物をつくること。「天地創造」
今回の意味として「2」はあてはまりませんので除外するとして、「新しいものを初めて作り出す」というところを深掘りしてみましょう。
ここ10年間に絞って考えた時に「新しいもの」としてアナタは何を挙げますか?
スマホ、カーナビ、音声入力、ポケモンGO、定額動画サービス、、、まあいろいろあると思います。
ではこの中で、純粋にゼロから作られたものはあるでしょうか?
例えば「スマホ」は「パソコン」と「携帯電話」そして「カメラ」「テレビ」などの要素を結集させたものにすぎません。
何が言いたいかというと、世間一般的にクリエイティブと感じる仕事、活動というのは「既存のアイディアの組み合わせにすぎない」ということです。もちろ組み合わえる技術は必要になります。しかし「創造性」「考える力」の話していけば、技術は次のステップの話になるでしょう。
子どもに考える力を伸ばしたいなら「暗記の技術」を教える
子どもに考える力、創造性をつけたい、将来はクリエイティブな職業に就かせたい!そう思ったらやるべきことは「記憶の仕方」を教えることです。つまり「暗記を得意にさせる」ことです。
意外に思わえるのですが、ゼロから何かを生み出す仕事というのありません。必ず何かの延長上にあります。ということは既存の知識をいかに多く知っておくかが重要になります。
今はインターネットがあれば何でも調べられる時代です。気になったデータもノートに移したりコピーしなくてもスマホ本体やEvernoteやドロップボックスに保管できる時代です。
なのに「暗記する力が大事!」というのは時代錯誤じゃないの?と思われるんですよ。暗記は学生時代だけで十分で、大人になったら「考える力」が重要視されるだと思っているわけです。
かつてゆとり教育を実施した日本でも、教科書は薄くなり暗記よりも考える力が重視されました。では今はどうなったのでしょう?ご承知の通り「ゆとり教育」という路線は修正させてましたよね。
クリエイティブな人間は、ある日突然アイディアが浮かぶわけではありません。複数の知識が絡み合い、ある日新しいアイディアが浮かぶのです。
インターネットやスマホ本体などにためてある知識は、記録であり記憶されてるものではありません。思考レベルで使いこなせる知識は、記録レベルでは使いものにならず、記憶されたものしか反映されません。
スマホにいろいろなデータを保管しておいても、考える力や創造性が増したと思ってる人は少ないのではないでしゅうか?いかに脳に知識を詰め込んでおくか、攻撃オプションを多くつめておけるか。そこから創造性や考える力は身につくのです。
記憶するテーマは広いほどアイディアは浮かびやすい
暗記する内容はいろいろな分野であることが望ましいです。全く関係がないと思える2つのアイディアが結びつくことはよくあるのです。
例えば「電話+カメラ=携帯電話」という感じで異なる2つの物体をかけあわせるアイディア。
「朝+缶コーヒー=ワンダモーニングショット」という感じで「いつ?」と「物体」の組み合わせもできます。「外+音楽=ウォークマン」は「どこで?」と「レコードやラジカセ」の組み合わせです。
物理的なものだけでなく「営業と心理学」「教育と心理学」などの組み合わせもあります。このように創造性や考える力の根底にあるのは、既存の知識をどれだけ自由に使えるかがポイントなのです。
そして思考するには、ただ知識を記録しているだけではダメで脳に記憶させないといけないのです。親が子どもに創造性や考える力を伸ばしたいと思うなら、暗記する方法を教えることです。どうやったら記憶に残せるかを教えるのです。
勉強しても将来に役立たないと自分で線引するリスク
小学生や中学生の場合は学校の勉強そのものが暗記の対象になるわけです。暗記は子どもの独創性や創造性を伸ばすのに役立たないという意見は、全く意味をなしません。
子どもが小学生や中学生の段階では、まず知識を記録するのではなく記憶する方法を教えること。好きな教科だけでなく興味のない教科も暗記することで、大人になってから異質なもの、分野同士の掛け算が得意になれるメリットがあります。
最近は選択授業を売りにする高校が増えてますが、あまり意味が無いとわたしは考えます。少なくともそこに魅力は感じません。
自分はこの道を行くので、他の道のことは知りません。という考え方では異質な組み合せはできません。
自分が生み出したものであると思っていたことが、「実は違う分野では当たり前のこと」というオチもあります。もし他の分野にも見識があれば、そんな恥をかくことはないでしょう。
人間が不安を感じる理由の多くは「知らないから」です。世の中には知らないほうが幸せなこともありますが、知っていたら避けられた不安も数多くあります。「知っている」というのは記録ではなく記憶レベルまで落とし込まないといけませんが。
「歴史なんて暗記しても意味がない」と子どもはよく言いますが、もしアナタがが言われたらどう答えるでしょうか?
将来経営者になりたい子になら、その道で有名な人はみな歴史好きであることを教えれば良いでしょう。営業になりたい子なら、歴史を学ぶことで教養がみにつく。教養がある人は雑談だけでも人を引き込む力があり営業にとって大きな力になる。。。
しかし小学生や中学生では、会社の社長や営業になりたいという子どもは少ないでしょう。そんな子たちには「歴史はドラマがいっぱい!自分のルーツを知ることが出来るんだよ♪」と答えるべきでしょうが、それでは納得しない子もいます。
そんな子には、自分の興味のないことでも知識を習得していくことで、自分に必要のないとおもって切り捨てたことが、実は役立つときがくることを教えます。それが歴史ではないかもしれません。でも少なくとも興味がないものを習得することの練習にはなるよねと話しました。幸いなことに歴史を勉強すればテストの点数で評価されます。がんばれば成績もあがります。
大人になれば、自分の仕事に関係ないことを勉強しても学校のように褒めてくれもしないし、評価もしれくれない。でも地道に知識を記憶していくことで、誰も思いつかなかった、そしてみんなが使って嬉しいものが作れるんだよと教えます。iPhoneが好きな子、DSが好きな子、何が象徴的なものになるかは子どもによって違いますけど。
さまざまなことに興味をもち記憶していくことで、技術革新がめまぐるしく5年後、10年後に自分の仕事が残っているのか分からない、そんな不透明な世界でも希望をもって生き残れる力をつけさせることができるのではないでしょうか?
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