このページでは、小学生の夏休み勉強法について解説します。
個別指導15年の経験をふまえてお話をさせていただきます。
※ここでいう「勉強」とは、学校から出される課題以外にプラスして勉強させることを指します。
夏休みの勉強時間は気にしなくて良い
保護者から一番質問が多いのが「夏休みはどれくらい勉強させたら良いですか?」です。
たしかに、学校がある日とは全然違うので、たくさんやらせないとダメなのかな?と不安になるかもしれません。
しかし、小学生の夏休みは、受験生でない限り、1日5~6時間など、長くする必要はありません。
(もちろん、本人がそれだけやりたいのであれば、問題ありません)
理由は3つあります
- 「勉強時間が長い=成績アップ」と必ずしも言えない
- 勉強が嫌いになる=後伸びのさまたげ
- 好きなことに熱中できる時間が減る
「勉強時間が長い=成績アップ」と必ずしも言えない
いくら勉強時間が長くても、集中してなければ学習効果は薄いです。
それでも目安が知りたいというのが親心だと思います。
ただ、それを知ったところで何にもならないのが現実です。
人間の能力、家庭環境、みんなバラバラ。
それなのに、勉強時間だけは「右向け右」で統一することは無理があります。
ふだん家庭学習ゼロの子に、1日1時間勉強しよう!と目標をたてても、厳しいです。
大事なのは、その子にあわせた時間を設定することです。極端な話、1日1分でも勉強したらOK!でも、問題ありません(全然やらないよりも100倍マシです)
勉強が嫌いになる=後伸びのさまたげ
その子にあった時間でないと、勉強が苦痛になります。
小学生の家庭学習で一番大事なのは「習慣化」とよく言われます。
では二番目に大事なのは何だと思いますか?
それは「勉強、教科が嫌いにならないようにする」です。
小学生の脳は、まだまだ成長段階。
発達には男女差、年齢差、個人差があります。
なので、最初のうちは「うちの子大丈夫かしら」と心配してたけれども
小学生の高学年や中学に入ってから成績が伸びる子が多いのです。
いわゆる「後伸びの子」です。
後伸びの子を育てるのに、一番大事なのは、時期が来るまでは無理させない。
嫌いにさせないことです。
一度嫌いになると、そのイメージがずーとつきまといます。
夏休みに何時間も勉強させられた地獄の日々、、、そんな記憶が残ってしまうと中学生になっても勉強しません。
苦手意識、思い込みのせいで、成績アップの足かせになってる中学生をたくさん見てきました。
食わず嫌い、やればできるのにやらない、、、本当にもったいないです。
好きなことに熱中できる時間が減る
夏休みは、ふつうの日と違い、まとまった時間がとれます。
「だから勉強させたいのよ」と思うかもしれませんが、勉強ばかりやらせるのは得策ではありません。
子どもが興味関心をもつものがあれば、とことん熱中させてあげる。
これは夏休みだからこそできる勉強です。
東大生には、小さいころに熱中したものがある子が多いと言われてます。
理想は「好きなことをやるために勉強する」という心構えを子どもにもたせること。
たとえば、図鑑を眺めるのが好きな子には「(図鑑は漢字が多いので)漢字は読めたほうが良いよね?」という親の言葉は、納得のいくものでしょう。
○○をやるためには、こういう勉強をしておくと良い
これだけで、子どもが勉強する理由ができるわけです。
「何のために勉強するの?」という禅問答と戦わずにすみます。
では、この状態を作るには、今なにをするべきか?
それは熱中できるなにかを一緒に探してあげること。
じっと観察して、もしかしこういうのが好きなんじゃないの?と仮説をたてるのです。
「下手な鉄砲数撃ちゃあたる」的なのりで習い事教室を連れ回すのはNGです。
まとめ
・小学生の夏休みは、時間よりも毎日勉強する習慣に力点をおく。
・子どもにあわせた勉強時間を設定する(1日1分でも可)
小学生の夏休み勉強法
- 復習だけで良い。先取りはいらない
- 3分間勉強法
- 一点突破式勉強法
復習中心。余裕があれば「先取り」
家庭学習の基本は「復習」です。
無理に先取り学習する必要はありません。
低学年のお子さんをお持ちの保護者は、課題選びに頭を悩ませるかもしれません。
というのも、プリントをやらせてもすぐ解いてしまう子が多いのです(低学年は基礎的な内容が多いため)
なら「ハイレベル問題」をさせようかなと考えがちなのですが、基本ができてるなら、無理に勉強させなくてもokです。
その時間を、先取り学習に使うほうが良いです。
中学年、高学年は、広く浅くからスタートさせて、ピンポイントで深掘りするの勉強法がオススメです。
広く浅くとは、教科も含めてです。
国語と算数だけでなく、理科や社会も復習させます。
現時点の学年の範囲だけでなく、前学年の内容までもどって勉強させてください。
前学年の内容に関しては、当時はできていても、今は忘れてることも多いです。
当時の記憶で、テストで良い点をとってたから大丈夫♪と判断するのではなく、現時点の記憶として残ってるかを勉強させるかの判断基準にしてください。
5年、6年と学年が上がるにつれて、苦手な単元、忘れてる単元が増えてきます。
「先取り学習」まで手がまわらないかもしれませんが、気にしなくてokです。
3分間勉強法
低学年、もしくは家庭学習に慣れてない子に有効な勉強法です。
勉強の集中力はそれほど続きません。
1回の勉強を3分以内に限定して、細かく勉強させる仕組みを作るのです。
課題と時間を限定することで、集中して勉強してくれます。
- 都道府県、英単語、四字熟語など、覚えさせたいものをトイレにはる⇒1日1個覚えさせる
- ドリルやプリントを3分だけやらせる
- 教科書の音読(丁寧に読む/速く読む)
- 買い物に連れていく⇒「3割引だといくら?」と暗算させる
一点突破式勉強法
夏休みに、あれもこれも勉強させるのは得策ではありません。
苦手なものばかり勉強させるのも、本人には苦痛です。
手広く勉強させるよりも、しぼったほうが学習効果が上がる子が多いです。
脳には「可塑性(かそせい)」という力にあります。
Aという分野が得意になると、関連性の強いBにもその効果があらわれるようにできてます。
例えば、歴史が大嫌いだったけれども、ゲームがきっかけで戦国時代の武将について詳しくなる。
それがきっかけで、室町や江戸時代に興味をもち勉強して得意になる。
これは教え子の成功事例です。
夏休みといえば、苦手を克服するための絶好のチャンスです。
とはいえ、本人にやる気がなければ、苦手なものばかりの勉強は苦痛でしかありません。
それなら、本人が得意、もしくは嫌いじゃない単元にしぼって勉強させるほうが効果があるかもしれません。