中学生の子どもが家で勉強しない、定期テストでヒドい点数をとった後に「毎日勉強する」と約束しても3日坊主で終わる。。。「どうしたら子どもをやる気にさせてモチベーションを維持しながら勉強させられるの?」 こんな悩みをもつお母さん、お父さんは大勢おられます。
今回は子どもに勉強をやる気にさせる方法について解説します。このモチベーションを維持する方法は中学生だけでなく大人でも使えます。脳科学や心理学に基づいた考え方であり勉強だけに限ったものではありません。ぜひ保護者の方も試してみてください。
やる気がでない中学生の目標設定法
方法は簡単です。「(1)勉強に対して理想の自分」を描かせます。例えばテストで90点とっている自分としましょう。次に「(2)そのために今あるべき姿」をイメージしてもらいます。つまり定期テストで90点とれてる子どもが毎日どんなことをしているのかを考えるのです。例えば毎日1時間は家で勉強している姿などです。そして最後
(3)今の自分」を確認します。
すると(3)の今の自分と(1)(2)との差が開いてることを感じるはずです。このギャップを脳に刻むことで一種の気持ち悪さを子どもは感じるのです。人間はあるべき姿に向かうように脳や体はできています。毎日同じ時間に起きたり、家に入る時には必ず右足から入ったりなど習慣としてあらわれたり、体温は常に36度5分を維持するなど体の機能としてあらわれることもあります。
勉強に話を戻しますと、「毎日家でゲームばかりして勉強しない自分」が本来あるべき姿と脳が感じていれば、その状態を継続するように働きかけます。
子どもからすると「心地よい」と感じるゾーンにいるわけです。そのゾーンを(1)や(2)の理想の自分にズラしてあげます。すると心地よいゾーンから外れていることで、脳は本来あるべき部分に戻すように働きかけるのです。つまり勉強しよう!と思えるようになるわけです。
子どもに「今と理想の自分」とのギャップを感じさせる
ギャップが重要だといいました。ポイントは「(3)今の自分」と「(2)そのために今あるべき姿」とのギャップを感じさせることです。
「(1)理想の自分」を毎日イメージして行動しよう!という考え方もあります。書店で「成功法則」の本を読めば、そんなことが書かれています。
これにはリスクがありまして、あまりに現実と離れているものは「脳が実現している」と判断して行動を起こさないことがあるのです。言い方をかえると、リアリティを感じない夢物語では、あまりに今の自分との差がありすぎて逆にギャップを感じないのです。
つまり子どもが「将来はグーグルで働きたい」とイメージしても、どんなオフィスでどんなことをしているかも、どのぐらいの偏差値がないと入社できないかも分かりません。ただインターネットですごいことをしている大人(スーパーマン)というイメージしかなくて、今の自分とのギャップは何も感じないわけです。
そこで「(2)そのために今あるべき姿」を描く必要があるのです。仮に10年後にはグーグルで働いてるとするなら、今の自分はどうあるべきかを描くわけです。
10年後とはいえ、少なくとも今の段階で簡単なプログラミングができないとダメなんじゃないかな?キーボードを見ながら文字を打つのではなく、画面を見ながらタイピングできないとダメなんじゃないかな?テストだって100点はとらないとダメだよな~こういうイメージを脳に描くのです。すると今の自分の姿にギャップを感じて脳は行動させるように働きかけてくれます。するとやる気がアップして、モチベーションを維持しながら勉強を続けることができます。
【注意】目標は現実的でも非現実的でもダメ
中学生になれば(1)や(2)に関しては自分である程度は描くことができるはずです。グーグルを例に説明しましたが、別に職業でなくても大丈夫です。中学生で将来の職業を具体的に言える子は少ないですから。最初の説明にあったように「定期テストで90点とっている自分」という感じで目標設定するのでもかまいません。
(1)を設定する場合は、あまりにもリアリティがありすぎるのも問題です。前回テストで85点とっている子が「今度も85点とる」という目標はおすすめしません。今まで中学校のテストで最高でも70点あった子どもが85点をとった場合。たしかに次とれるとも分かりませんから、同じく85点を目標にする考え方もあります。しかし現実85点を一度とってますので、脳の働きかけという意味では小さくなってしまいます。なので「90点や95点」を目標にするほうが、ギャップを感じやすいので勉強のモチベーションを維持しやすくなるでしょう。
逆に途方もない点数もマズイので注意してください。毎回定期テストで10点前後の子に、100点を目標にさせるのはいけません。現実性が低くて、夢物語のパターンになり失敗する可能性が高いからです。まずは30~50点あたりが妥当ではないでしょうか?
今回は中学生の子どもの勉強のやる気を高める方法をご紹介しました。家で勉強しようと思ってもモチベーションが続かず3日坊主で終わってしまう中学生におすすめします。