受験勉強は不安との戦いです。このままだと危ないから第一志望校を下げようかな。今年の倍率高くなりそうだとどうしよう。英語をずーと勉強しているけど点数が全然上がらない。
こういう不安が積み重なると勉強にも集中できませんし、ストレスになり親への八つ当たりが始まり家庭の雰囲気が暗くなる場合もあります。
今回は不安そうな親が子どもの不安をとりのぞく方法を解説します。この方法は高校の受験勉強に限らず使える心の管理の仕方です。将来も使える財産になるので、ぜひ教えてあげてください。
不安は紙に書けば楽になる
ノートと鉛筆だけで不安をコントロールできるので簡単です。特別なことはしません。受験勉強をしていて不安を感じたらノートに書き込むだけです。親がノートを管理するとか、書かれた内容に対してアドバイスする必要はありません。そもそも親がチェックするといった時点で、ほとんどの子どもはやらないと思います。
紙に不安を書き綴ることで気持ちが楽になることは臨床心理学の実験で明らかにされています。社会人のビジネス書でも不安への対処法として紹介されています。
不安とテストの点数との関係を実験したものもあります。あえてプレッシャーのないテストと、プレッシャーがかかるテストでは明らかに点数の違いがでました。人間は不安になると脳の記憶装置がうまく働かなくなるのが原因です。
さらに実験ではテスト前に不安に感じていることを紙に書かせた場合の変化を調べました。すると紙に書いたグループの点数がそうでない人達よりも良い点数をとることが分かりました。これが不安は書き綴ることで楽になると言われる根拠です。
紙に書くと楽になる理由を考えてみる
そのメカニズムはいろいろ考えられます。わたしは「メモ効果」「視覚効果」「ストーリー効果」により気持ちが楽になったのではないかと感じてます。
ひとつずつ解説します。
メモ効果
忘れるためにメモをすると言いますよね。急にアイディアが浮かんだり、テレビをみている最中に大事な情報をつかんだ場合メモするまで忘れないようにがんばりますよね?それと同じで不安も忘れないように脳が覚えようとしてるのではないかと思うんです。
自分は今こういうことに不安を感じてる、プレッシャーの原因になっている、、、それを紙に書くことで「メモ」と同じような効果を得ている気がするのです。
視覚効果
次に「視覚効果」です。悩んみ具体化すると大したことがなかった、、、という経験はありませんか?例えば今月は出費がかさみそうだから、生活費が足りなくなりそうと不安を感じているとしましょう。実際に紙やエクセルに、各項目の費用を書き込んで必要な金額を具体的にしたら生活費は確保できたというオチ。
人間の脳は生きるために不安を感じるようにできています。気をつけてねと信号を送ってくれるわけです。その後は性格によりけりですが不安を2倍に感じる人もいるし、10倍に感じる人もでてきます。逆に0.5倍にしてしまう強者もいます。
2倍、10倍にする人の多くは「何が不安なのかわからないこと」が不安という人が多いです。要するに忘れてしまうんです。でも不安を感じた記憶だけは残っているので思い出せないけど自分は不安という人です。
自分の不安を視覚化することで「そうか!自分は今こういう不安を抱えているんだな」と安心する効果もあるでしょう。
ストーリー効果
ストーリー効果というのは、不安を感じるまでの経緯を紙に書いていくことで新しい気付きを得るという話です。
例えば、何もしてないのに友人に怒られたしましょう。全然怒る話ではないのにもかかわらずです。きっと自分が何か悪いことをしたんだ。どうしよう。。。と悩みます。
でもノートに書いていくうちに、そういえば昨日親に怒られて寝不足なんだと朝言ってたな。。。と思い出したとしましょう。するともしかしてムカついてて八つ当たりしだだけかも。。まあ、気にしないでおこうかな。。と安心するわけです。
不安をが生まれる過程を時系列にすることで、新しい気付きが得られる可能性もあります。
悩む必要がないことに不安を感じるのはムダ!
人間の感じる不安は2種類あって、「心配する必要のないこと」と「適切に対処すれば解決できること」があります。心配する必要がないというのは、「誰かに嫌われないか?」「落ちたらどうしよう」「倍率高いけどどうしよう」みたいな悩みです。
人を好きになるのが自然なことであるなら、その裏側になる「嫌いになる」も自然な行為といえるでしょう。嫌いになる、嫌われることに対して過敏に反応しすぎるのは無意味であり精神エネルギーの無駄です。落ちるたどうかはやってみなと分かりません。
高校入試の倍率はあくまでも数字だけで、受験生のレベルは分かりません。仮に2倍だとしても自分より成績が悪い子ばかりが受験すれほぼ合格するでしょう。
「倍率」は気にするだけ損
ライバルが多いと緊張する人が多いと思います。これって、目の前に人がいなくても同じ効果があるんです。
いると想像しただけで、目の前にライバルがいるのと同じぐらいの恐怖を感じるのです。受験の倍率がまさにこのパターンにあてはまります。
倍率を気にするだけで不安や恐怖がうまれて勉強に集中できなかったり、受験日に実力をだしきれないかもしれないのです。
志望校の出願変更をするかどうかを決めるときには倍率を気にしても良いとは思いますが、一度決めたら忘れることが賢明です。あくまでも倍率は数字でしかありません。具体的な受験者の質までは分かりません。
解決法があるものはプロに聞くか調べる
悩みには必ず原因があり対処法が存在します。子どもはインターネットを使いこなしてると思うのは早いです。実際は受け身の使い方しかできてません。そのあたりについては以下の記事をチェックしてみてください。
ということで、子どもが受験勉強で不安を感じてたらノートに書かせるようにしてください。専用ノートを準備するとよいでしょう。学生や社会人、どんな世代にも使える不安対処法なのでおすすめです。