「教科書ガイド」を子どもに買うべきか悩んでませんか?
「あんなものは必要ない!」と言う先生もいます。
昔は「虎の巻」と呼びました。呼び方は違っても、、、
「教科書の解説書」にお世話になった保護者は多いと思います。
このページでは中学生に教科書ガイドが必要かどうかを解説します。
英語の教科書ガイドは買って損なし
英語の教科書ガイドは授業の予習、復習、定期テスト対策、高校入試対策と幅広く使えるので、「買い」です!。
残りの国語、社会、理科、数学は必要性を感じません。
あえていえば「国語」でしょうか。
数学を2番手にあげる人が多いです。
授業で先生にあてられたときに、答えがあると便利♪という理由で。
家庭学習は復習中心でok。
予習用に数学のガイドを買う必要はありません。
先生が怖くて、どうしても欲しいなら買っても良いと思います。
国語のほうがテスト対策では役立ちます。(理由は後で話します)
【英語】教科書ガイドのメリット
今は日本語訳をプリントにして生徒にわたす先生もいます。
昔のように1文1文を、生徒に訳させる授業がメインではなくなっています。
わたしが教科書ガイドをおすすめする理由は、予習のためではなくテストで点数をとってほしいからです。
教科書ガイドの中身(1)
教科書ガイドの中身(2)※中身を直接公開すると著作権の侵害になるので、画像を加工してあります。
教科書には発音記号はのってますが、読めない子も多いです。
カタカナがふってあれば、正しい発音で音読練習、単語の暗記ができます。
もちろんネイティブのような発音にはなりませんが、先生のカタカナ英語よりマシ。
英文法が全然わかってない中学生でも、音読をしっかりさせると穴埋め問題で正解できます。
意味は分からなくても音で覚えてしまうのです。
ただしテストは筆記です。英単語のスペルが分からないと得点できません。
ここで言いたいのは、音を覚えてからこそ、書く練習が生きてくるということ。
なんとなく音は分かるので、スペルの予想がつく単語が多い。
高校生になると大人と同じように論理性が強くなって、頭で理解しないと前にすすめなくなります。
しかし中学生の場合、理屈は分からなくてもカラダで覚えられる子がとても多い。
本文の7割程度が、テキストを見なくても唱えられるようになったら別売りのCDを聞かせると良いでしょう。
リスニング力を強化できます。
どこの高校入試でも放送問題があります。長文や英文法が苦手な子でも、リスニングで点数をとることは可能です。
入試直前に演習しても点数が伸びる分野です。
しかし、保護者の願いとしては、学力テスト(模試)のリスニングで点をとってほしいですよね。
高校入試の試験日は3月ですが、担任と面談で志望校を決めるのは12月です。そこまでに結果を出さないといけません。
中3生だけでなく、中1から長期休みに模試を受けるのがオススメです。
音声CDと教科書の並行学習は、定期テストだけでなく将来の高校入試にもプラスです。
【数学】教科書ガイドのメリット
練習問題の解き方と答えが分かるのが、数学の教科書ガイドです。
「解き方と答えが分かる」、、、ここに価値を感じる人とは
・板書が汚すぎて後から読み返せない
・板書をとってない
・予習の宿題が多い
↑こんな感じになろうかと思います。
いざテスト勉強をしようと思っても、ノートが汚くて解き方や答えが確認できないのでは意味がありません。
数学の教科書ガイドがあれば便利です。
教科書の予習を宿題にする中学校は少ないと思いますが、もしそうであれば、教科書ガイドは役立ちます。
テストの点数をあげるなら、予習よりも復習に時間をさかないといけません。
数学の予習に時間をとられすぎでは、問題です。
数学の教科書ガイドに、なにかく特別な解法がのってるかといえば
そんなことはありません。
あくまでも教科書をベースに、理解を助けるための内容になってます。
【国語】教科書ガイドのメリット
中学校の国語は大きくわけて現代文と古文に分かれます。(高校のように教科名を『現代文』と『古典・漢文』と区別しませんが)
まず苦戦が予想されるのが古文。教科書ガイドがあれば、定期テストにでそうなポイントをおさえられるので便利です。
現代文も油断なりません。
「現代文=日本語のテスト=簡単」という認識の保護者が多く、対策が手薄になりがち。
たしかに日本語のテストですが、「いかに文部科学省のねらい通りの答えが書けるか」が試されます。
小学生なら「わたしはこう思う」という個性が尊重されます。
しかし中学では教科担任の求める回答を書けるかで成績が決まります。
好き勝手なことはできません。文部科学省の方針(学習指導要領)と真逆の授業はできません。
文部科学省から出される学習指導要領にそって作られたのが、教科書です。
教科書のポイント=授業のポイント=テストにでる
国語の教科書ガイドは要点がよくまとまってます。
ガイドで勉強しても、(読書を通して身につく広い意味での)読解力はつきません。
でも定期テストの点に直結する読解法なら身につきます。
国語の教科書ガイドは、漢字や語句の意味のフォローがしっかりされてます。
語彙力があるのとないのでは、テストの点数も違ってきます。
漢字はそのまま点数に直結しますし、語句の意味がわかれば本文の内容理解も進む得点アップにつながります。
教科書ガイドとワーク、トレーニングの違い
教科書ガイドは「教科書の解説書」であり、問題がありません。(国語の教科書ガイドには練習問題がついてます)
教科書準拠の問題集がほしい場合は「教科書ワーク」「教科書トレーニング」をご検討ください。
名前が似てるので整理しておきますね。
- 教科書ガイド:教科書の解説書
- 教科書ワーク、トレーニング:問題集
教科書ガイド、教科書トレーニング、ともに出版社は同じで「新興出版」です。
ちなみに教科書準拠問題集としては「教科書トレーニング」のほかに、文理から出版されてる「教科書ワーク」もあります。
どちらか1冊あればokです。
おすすめは「教科書トレーニング」。
準拠問題集は、学校からも配布されるケースが多いです。
お子さんが通ってる学校の配布状況を確認し、必要に応じて購入してください。
※同じ準拠問題集でも、学校から配布されるものと、「教科書ワーク」や「教科書トレーニング」は違います。
学校用は、先生が授業で使うのが前提なので、問題が中心です。
ワークやトレーニングは、問題以外に要点整理や勉強に役立つ付録がたくさんついてます。
・社会科の教科書ガイドは必要ありません。
保護者が準備すべきは、復習、定期テスト、高校入試対策まで使える「教科書トレーニング」です。
コスパ最強の教材です。
教科書ガイドの使い方・勉強法
英語の教科書ガイド
・本文訳
・単語の意味、読み方
・文法の解説
・例題の回答
大きくこの4つを知るために使います。
開隆堂版 完全準拠サンシャイン中3
※中身を直接みせると著作権侵害になりますので、画像を編集してあります。
教科書ガイドは授業の予習、復習、どちらにも使えます。
子どもの学力をつけるのに、重要なのは予習よりも復習です。
なので予習として教科書ガイドを使う目的は、「ムダな時間を省くため」とお考えください。
辞書で英単語を調べる時間を省略するために使うという感覚です。
授業の復習
復習1:音読を最低10回
復習2:スラッシュリーディング
「返り読み」ではなく「スラッシュリーディング」で復習させます。
例えば
Ken likes an apple.
という英文があるとします。
日本語になおすと
「Ken=ケン」「likes =好き」「an apple=リンゴ」
ですから
「ケンはリンゴが好きです」となります。
ここで注目していただきたいのは、英語と日本語の順番が違うということです。
英語の語順のままで日本語になおすと
「ケンは/好き/リンゴが」となります。
これでは文法的にまずいので、順番をいれかえて訳すわけです。
これを「返り読み」と読んでます。
例文ぐらいの長さであれば、どの読み方をしてもさほど影響はありません。
ただ高校入試、大学入試、英検、TOEICなど、子どもが将来かかわるであろう英語の問題では、足をひっぱる要因になりかねません。
「返り読み」の最大のデメリットは、時間がかかることです。
英語の試験とは、制限時間内に正解を導くことです。
大量の英文を短時間で読まないといけません。
英語の語順をいれかえて、日本語になおす分だけ時間をムダにしてしまいます。
1文だけなら良いですが、何十の英文に同じことをやるとチリツモで相当な時間になります。
もちろん、英文を日本語になおす問題は返り読みしないといけません。
しかし和訳問題は全体の数%しかありません。
英検やTOEICはマークシートなので、和訳問題は1問もでません。
入試で和訳がでたら、そのときだけ返り読みするようにさせてください。
ふだんは、英語の順番で訳していくこと。
Ken likes an apple.
Ken /likes /an apple.と考えて「ケンは/好きです/リンゴ」
という風に訳す練習をさせてほしいのです。
その練習に英語の教科書ガイドはとても役立ちます。
ガイドには「和訳文」のほかに、「英語の順番のままの日本語訳」が掲載されてます
これを利用して、英語を前から訳すトレーニングを、ふだんの学習でやらせてほしいのです。
Ken /likes /an apple.と考えて「ケンは/好きです/リンゴ」
↑
このような読み方を「スラッシュリーディング」と呼ぶことがあります。
この読み方のメリットは、「英語の読み」だけでなく「リスニング」を強化できることです。
英語の放送問題はを解くとき、子どもは耳だけで英語を訳さないといけません。
つまり、英語の順番を、日本語の順番になおしすことができないのです。
耳に聞こえてきた順番のままで、理解していかないといけません。
スラッシュリーディングは、英語の順番で理解していきますから、聞き取り問題にも十分に効果を発揮します。
返り読みをしないで、英語を前から訳していくのに慣れてきたら、次は日本語に直さなくても良いものは英語のまま理解させるようにしてください。
例えば、「apple」なら「リンゴ」と日本語になさなくても、りんごの絵が頭に浮かぶなら、そのままで理解させてほしいのです。
Ken /likes /an apple.⇒「ケンは/好きです/an apple」
というイメージです。
こうすることで、さらに英文を読むスピードが上がります。
英語を速く読むといえば、速読術を想像されるかたもおられます。
今回話してる内容は速読術ではありません。
ネイティブは英文をとらえる感覚で、理解しましょう
という当たり前の話をしてるだけです。
スラッシュリーディングは中1,中2、中3,高1,、、
と学年が上がるに連れて効果を発揮します。
できることなら、英文が短くて易しい段階から、返り読みをしないでスラッシュリーディングで練習させたほうが、あとあと苦労しないで済みます。
↑教科書ガイドには、このように本文と日本語訳が掲載されてます。
全ての日本語訳を隠します。
左から順番に、1個ずつ日本語訳をあてはめていきます。
日本語訳を隠すときは定規や下敷きを利用すると良いでしょう。
道具を使うのは面倒なら指で1単語分を隠しながら右にスライドさせていくのでもokです。
1単語分の日本語を隠すだけでは、他が見えてしまうのではと心配するかもしれません。
やってみると分かりますが、意外に見えません。
常に1単語ずつ訳さなくて良いです。
教科書ガイドには、↑のように複数の単語でひとくくりしてる文もあります。
その場合は、、、
という風に、スラッシュリーディングをさせてください。
複数の単語でひとくくりにする場合は、そこはテストに出やすいです。
なぜなら文法的なポイントがあるからです。
「I’ve just found」は現在完了形の使い方、「have+過去分詞」、および「just」の位置がポイント
「something interesting」は、名詞と形容詞の位置の逆転がポイントです。
通常は「形容詞+名詞」という位置関係です。例えば「a big tree」
しかし、代名詞somethingは修飾語を後ろにとります。
つまり「名詞+形容詞」の語順にしないとバツになります。
常に1単語ずつ訳すのではなく、教科書ガイドの指示に従って訳してください。
そうすることで、自然にテストにでやすい勘所も分かるようになります。
★スラッシュリーティングに慣れてきたら
復習3:教科書本文の前置詞をチェックする
at,in,on.of,about、withなどの前置詞は、定期テストでは穴埋め問題になることがあります。
どの前置詞がでても良いようにしておきましょう。
イディオム(熟語)の前置詞はセットで覚えましょう。
例)That’s for sure (確かにその通り)
※本文に含まれる新出イディオムは、教科書ガイドの「単語 熟語」のコーナーにまとめられてます。
イディオムに含まれない、教科書本文にでてくる前置詞は、丸暗記しようとせず、文のなかでの役割(前置詞のイメージ)を意識すると記憶に残りやすくなります。
復習4:指示語のチェック
「あれ、それ、これ」などの指示代名詞が、本文で具体的になにを指すのかをチェックしておきましょう。
教科書ガイドで説明されてます。
★高校入試対策
高校入試の傾向のそった模試をうけるさいは、教科書の何ページまでが範囲になるかを確認してください。
そして前学年の内容を含めて、単語(熟語、アクセント、発音を含む)、英文法の復習に教科書ガイドを利用してください。
模試では長文問題が出題されますが、範囲内の単語と英文法しか使えないルールになってます。
なので教科書をしっかり復習しておけば、全く英文の意味がわからない。。。ということにはなりません。
英文法のポイントを教科書ガイドで確認したら、該当部分の演習を、学校で配布されてるワークで演習しましょう。
勉強法は定期テストと基本は同じですが、ポイントは「テスト範囲があるようでない」ということです。
模試を受ける時点までに習ってる英単語と英文法が全て範囲になります。
定期テストではメインになる英文法は数個しかありません。しかし模試になると、全てが範囲になりますので、効率よく知識を脳から引き出せるまでの復習をしておかないと制限時間内にはとけません。
授業の予習
学校の勉強には、意味があるもの、ないものがあります。
英語の場合、単語を調べたり、本文の日本語訳を何時間もかけて考えるのは時間のムダです。
「ムダ」とは言い過ぎかもしれませんが、成績アップに直結することではありません。
そこに時間をかけるなら、音読やスラッシュリーディング、英単語と日本語を交互に確認するなどしたほうが時間の有効活用になります。
とはいえ、学校の宿題をやらないと、今度は提出点が引かれてしまいます。
なので、教科書ガイドで、意味が薄い宿題をできるだけ手短に済ませる。
これが教科書ガイドの予習としての正しい使い方です。
予習で使うときの注意点があります。
教科書ガイドのきれいな日本語をそのまま先生の前で回答すると、やや不自然です。
なので、授業中にあてられたときは、少しだけ訳を自分流にアレンジさせてください。
コツとしては、教科書ガイドの訳をノートに書いておいて、あてられたら訳をみて、ノートを閉じる。
あとは残ってる記憶で訳すと、きれいすぎない中学生らしい日本語訳になります。
まとめ
英語の教科書ガイドは「買い」です!
「教科書ガイド=答え」というイメージが強く、先生の授業を真剣にきかなくなると心配してる保護者も多いです。
使い方を間違えなければ、教科書ガイドは子どもの自宅学習の強い味方になります。
買ってあげるだけでなく、使い方まで教えてあげることが重要です。