【簡単】中学生向け教科書の勉強法[ポイントは6つ]

このページでは、定期テストや受験勉強に役立ち教科書の勉強法を紹介します。

中学生本人、もしくはその保護者向けの記事になります。

個別指導15年の経験をふまえてお話をさせていただきます。

定期テストも高校入試も、基本的に教科書からしか出題されません。

「基本的に」というのは、私立高校の場合は教科書にのってない問題がでることもあるからです。

一部の例外はあるものの、教科書をしっかり勉強しておけばテストで困ることはありません。

しかし、、、

  • 教科書は分かりにくい
  • 復習に使いにくい
  • おもしくない

などマイナスのイメージを持ってる人が多いと思います。

まずは、そのイメージを捨ててください。

わたしが15年間、個別指導を通して出会った成績のよい中学生は、みんな教科書で勉強してました。

頭の良い子に言わせれば、「ここからし出ないに、使わない理由が見当たらない」となります。

勉強する前から、相棒(=教科書)を信頼していないのでは、成績は上がりません。

「教科書で勉強するのは正しいことなんだ」と強く信じてください。

そして、これから話す6つのポイントを使って、教科書で勉強してみてください。

「6つも、、」と思う人もいるかもしれませんが、やることはシンプル(簡単)です!

[全体⇒細部]の順番で読む

全体をとらえながら教科書を読みましょう。

教科書を1回通読する

目次⇒タイトル(小見出しも含む)⇒図やグラフ

4月に中学校から教科書が配布されたら、はじめに目次を開きます。

1年間でどういう勉強をするのか、ざっと確認します。

次に、教科書を1ページ目からパラパラめくってください。

このとき、すべての文章を読もうとしないこと。

読むではなく「見る」です。

見るべき部分は、頭のタイトル、図や絵など、そして太字になってる部分

教科書の内容を理解しようとしなくてokです。
まずは教科書を1周、チェックしましょう。

この読み方は、教科書だけに限りません。
書籍や雑誌も同じです。

はじめて読むものは、全体を先にみてしまったほうがあとあと楽になります。

ただし、楽しんで読むもの、例えば小説などは
この読み方を使うとおもしろくなくなるので注意してください。

1日の勉強のやり方

目次⇒タイトル(小見出しも含む)⇒図やグラフ⇒本文

基本的には[全体⇒細部]の読み方は同じです。

ある日の勉強予定が「教科書2ページ分」だとします。

はじめに、目次を開いて、今日勉強する部分を探します。

教科書全体に対して、どの位置にあたるのかを確認。

※社会科の歴史を勉強するときは、目次のあとに年表を見たほうが
分かりやすいかもしれません。

どの教科書でも「縄文、弥生、、、、鎌倉、、、、江戸、、、」と
年表としてまとめられてます。

次に、学習予定のページを開きます。

タイトルを確認、次に文中の絵や図、太字、そして小見出しがあれば
それもチェックします。

そこまで済んだら、文章を頭から最後まで通して読んください。

ゴールを意識して教科書を読む

なんとなく教科書を開いて読み始めるのでなく、
この勉強の目的、ゴールは何なのかを必ず確認してください。

例えば、
数学なら「因数分解のやり方を勉強する」

英語なら「現在進行形の使い方を勉強する」などです。

ゴールの作り方に正解はありません。

勉強がずーと続くと思うと苦痛になる子も多いと思います。

まずは、ゴールを決めて、1日、1日を区切ることが大事です。

主語を述語をつなぐ[シンプル読み]

教科書に書かれてる内容を、読みやすいように変更します。
ご飯をたべるときに、そのまま飲み込むひとはいませんよね。

歯でかみくだいて消化しやすくします。

それと同じで、教科書の文章を、脳に吸収しやすいように
かみくだいてしまいましょう。

新政府は、欧米諸国に劣らない強い国をつくるためには、
国を豊かにして力をつけ、強い軍隊をもつ必要があると考え、
富国強兵の政策を進めました。~『社会科中学生の歴史(帝国書院)』より

↑歴史の教科書の本文です。

この文を「主語」と「述語」だけにしてしまいます。

国語の勉強ではないので、「主語」「述語」をざっくりとらえればokです。

歴史あれば「誰が(何が)」「どうした」でokです。

新政府は、富国強兵の政策を進めた。

こんな感じにすれば良いのです。

この政策の中心となったのは、産業の発展による経済力の向上(殖産興業)、西洋的な軍隊づくり(徴兵令)、改革のために必要となる財源を安定させる
税制度の改革(地租改正)、そしてこれらの改革を担う人材を養成するための教育制度の採用(学制)でした ~『社会科中学生の歴史(帝国書院)』より

この文の主語は「この政策の中心」とすればokです。

「この」「その」「あの」と言われたら、前の文章に答えがあります。
分かったらを鉛筆で指示語の上にメモしておきましょう。

今回の場合、「この」は前文の「富国強兵」を指します。

次に「述語(どうした)」を探します。

この文章は主語が1個に対して、述語は4個になってます。

この政策の中心となったのは、

  • 産業の発展による経済力の向上(殖産興業)、
  • 西洋的な軍隊づくり(徴兵令)、
  • 改革のために必要となる財源を安定させる税制度の改革(地租改正)、
  • そしてこれらの改革を担う人材を養成するための教育制度の採用(学制)

でした

それぞれにあった「この政策の中心となったのは」「でした」を一つにまとめた文章だと考えればokです。

つまり

  • この政策の中心となったのは、産業の発展による経済力の向上(殖産興業)でした。
  • この政策の中心となったのは、西洋的な軍隊づくり(徴兵令)でした。
  • この政策の中心となったのは、改革のために必要となる財源を安定させる税制度の改革(地租改正)でした。
  • この政策の中心となったのは、これらの改革を担う人材を養成するための教育制度の採用(学制)でした。

を一つの文にまとめたのです。

「述語(どうした)」を探してみましょう。

・経済力の向上(殖産興業)
・西洋的な軍隊づくり(徴兵令)
・税制度の改革(地租改正)
・教育制度の採用(学制)

 

この政策(=富国強兵)の中心となったのは

殖産興業
徴兵令
地租改正
学制でした。

と見えればokなのです。

以上が、主語と述語だけにしてシンプルに教科書を読む
というテクニックです。

裏紙にまとめる

教科書をシンプル読みするとき、頭だけで考えるのではなく
手を動かしながら勉強することをオススメします。

手を動かすと記憶が良くなることが分かってます。

使わないプリントの裏でかまいません。

シンプル読みすると、どうなるのかを鉛筆でまとめてみましょう。

 

新政府は、富国強兵の政策を進めた

この政策の中心となったのは

殖産興業
徴兵令
地租改正
学制でした。

↑これが、シンプル読みした結果でした。

このまま紙に書いてもよいですしもっとシンプルにしてもかまいません。

新政府の富国強兵

・殖産興業
・徴兵令
・地租改正
・学制

↑こんな感じでもokです。

ノートにまとめない。

これはノート作りではありません。

あくまでも、シンプル読みの補助にすぎません。

だから使わないプリントの裏で良いよと言いました。

ノートにまとめようとすると、そこに集中してしまい本質がブレます。

この時点での目的は、教科書の言わんとしてることを
自分の頭で分かりやすくかみくだくことです。

ノートにまとめるのは、もう少し理解が進んでからでかまいません。

シンプル読みをして、紙に書いて、ポイントが見えたら
その裏紙は捨ててかまいません。

  • 内容をかみくだくために紙に書く(プリントの裏)
  • 覚えるために紙に書く(ノート)

とイメージましょう。

クイズを作る

シンプル読みが完了したら、クイズを作ってみましょう。

なぜクイズを作るのかといえば、脳が積極的になるからです。

ただ、用語をじーと見てるよりも、クイズにして何回もやるほうが
脳に記憶されやすくなります。

自分で問題を作るほうが、その用語と関連してる言葉も
セットで記憶されます。

問題を作るときは、「何?」「なぜ?」「どのように?」に着目してください。

「何?」

クイズ作りになれないうちは、シンプル読みでまとめ内容をそのまま問題にしてかまいません。

つまり、、、

新政府がはじめた富国強兵とは?

殖産興業、徴兵令、地租改正、学制

 

こんな感じでokです。

次に逆バージョンも作ります。

殖産興業、徴兵令、地租改正、学制をまとめて何と言う?

富国強兵

「なぜ」「どのように」

歴史の教科書を例にします。

富国強兵を実現するために、新政府は安定した歳入(年度あたりの収入)を得る必要がありました。

そのため新政府は、まず土地の面積を調査して地価(土地の値段)を定め、農民たちによる土地の所有権、売買権を認めて所有者に地券を与えました。

そして彼らを地租(土地にかかる税)の納税者としました。

さらに、地租の租税を3%とし、それまでの米で収める方法ではなく、現金で納めさせました。

1873年から行われたこの改革を地租改正と言います。~『社会科中学生の歴史(帝国書院)』より

 

シンプル読みすると、、、

地租改正(1873)

  • 新政府は歳入が必要だった
  • 新政府は地価(土地の値段)を決めた
  • 新政府は地券を与えた
  • 新政府は、彼らを(土地にかかる税)納税者とした
  • 新政府は、地租の租税を3%とし、現金で納めさせました。

 

↑こんな感じになります。

さらにまとめると、、、

地租改正

・土地の所有者に地券を与え、地価の3%を現金で納めさせた
(はじめから、こんなキレイにはまとめられいと思いますが)

ではクイズを作ってみましょう

地租改正とは?

土地の所有者に地券を与え、地価の3%を現金で納めさせた

逆パターン

土地の所有者に地券を与え、地価の3%を現金で納めさせたのって何?

地租改正

 

ここからは、少し細かくいきます。

地租改正は、地価の何%を現金で納めさせた?

3%

 

新政府が土地の所有者に配ったものは何?

地券

 

こんな感じでクイズを作って、復習していきます。

 

後から問題を追加してもOK

シンプル読みしてる部分がベースになってるので教科書を網羅してるかといえば、完全ではありません。

ただ、はじめに大きな部分から勉強するという意味では問題ありません。

これからテストまで教科書を何回も読むことになります。

そのさいに、ここもクイズにしたいなと思ったら追加してください。

追加例1

「さらに、地租の租税を3%とし、それまでの米で収める方法ではなく、現金で納めさせました。」

この部分。シンプル読みでは、「それまでの米で収める方法ではなく」をカットしてます。

歴史では、どのように変わったのかも重要な要素になります。

なので、こんな問題を作ってみましょう。

( )をうめなさい:地租改正では、( )で収める方法ではなく現金で収めさせた。

 

( )をうめなさい:地租改正では、米で収める方法ではなく( )で収めさせた。

現金

 

追加例2

富国強兵を実現するために、新政府は安定した歳入(年度あたりの収入)を得る必要がありました。

なぜ新政府は地租改正をやったの?

富国強兵を実現するための安定した歳入が必要だったから

 

自分の言葉でノートにまとめる

ここからは教科書のポイントを、ノートにまとめる作業に入ります。

ポイントは、「覚えるためにノートまとめする」という目的を忘れないことです。

もっと具体的にいえば「テストで点をとるためにノートをまとめする」ということです。

この本質を忘れてしまうと、点につながらないムダが発生します。

必要以上に時間をかけてきれいにまとめても、覚えられない、点につながらない勉強は
意味がないと思ってください。

逆にいえば、覚えられる、点につながることであれば時間をかけてもかまいません。
ひとつにかけられる時間にが限度がありますが、できる範囲で、結果につながる勉強をやりましょう。

基本的には、シンプル読みした内容を基本としつつ
以下の方法を組み合わせてノートまとめをしてください。

文字数制限をつけてみる

シンプル読みしてば、教科書をそのまままとめてしまう
ということにはならないと思います。

ただ、長々と書いてしまうひとは、シンプルにまとめるように
意識したほうが良いです。

あれも、これも大事そうにみえて、教科書のすべてをノートにまとめた
では、マズイです。

最初に言いましたが、覚えるため、点をとるためにノートを作ります。

教科書をそのままノートに書き写すのでは、暗記作業が非効率になります。

ノートを見て、覚えるポイントがすぐ分かるようにしたいのです。

なんでもかんでも書いてしまうひとは、あえて「文字数制限」をルールに加えましょう。

例えば、ひとつの話は1行以内にまとめる、

ノートですべてをカバーしようとしなくて良いのです。

シンプルにまとめすぎて、内容が分からない部分がでたら
教科書にもどって調べればよいのです。

自分が知ってることを、覚える用語につなぐ

脳にすでにある知識と、覚えるたいことをつないであげると、記憶されやすくなります。

なので、教科書の内容をそのまま飲み込もうとせずに、自分に置き換えて吸収できないかと考える習慣をもちましょう。

教科書に書かれてる内容すべてを、自分に置き換えるのは大変だし、できません。
ただ、なかにはハマる場合もあるので、まずは考えるクセをつけることが大事です。

かたまり(チャンク)を作る

バラバラよりも、かたまりにして覚えたほうが、記憶に残りやすくなります。

例えば社会科の歴史で「三国干渉」という言葉がでてきます。

この三国とは「ロシア」「フランス」「ドイツ」なわけですが、この3つをかたまりとして記憶しようと考えるのです。

「ロシア」「フランス」「ドイツ」

ではなく「ロシア、フランス、ドイツ」とするのです。

かたまりにするさい、ゴロ合わせができないかも考えてみると良いでしょう。

覚えやすい語呂合わせを作るポイントは、自分の言葉で考えることです。

他人が作った語呂合わせよりも、自分で作ったほうが何倍も記憶されやすくなります。

なぜなら、さきほど話した通り、脳は古い記憶と結びつけて、新しいことを覚えようとするからです。

例えば、あなたが「ロフト」というお店に良くいく、もしくは、店の名前を知ってるとしましょう。

そうなら「ロシア、フランス、ドイツ」それぞれの頭の文字をとって「ロフト」と語呂合わせを作るのです。

さいごの「ドイツ」、、、「ト」じゃないでしょ
とツッコミをいれたくなるかもですが、
そのツッコミをセットにして覚えれば、意外に記憶に残るものです。

あなたが「ロフト」という店を全然知らない、そしてアナタが考えたことではなく他人から教わったことであれば、覚えられないかもしれません。

ただ、自分が知ってることに結びつけて、自分が考えたものであれば記憶される可能性は高くなります。

「比較」する

比較すると覚えやすくなります。

英語:一般動詞とBe動詞の使い方の比較

数学:比例と反比例の比較

社会科:「日清戦争」と「日露戦争」の比較

理科:リトマス紙の変化の比較

教科書の構造化

ここでは、教科書に書き込みをしていきます。

「書く」といっても、文章は書きません。

「→」などの記号、順番がひと目で分かる番号

を書き込みます。

「シンプル読み」「クイズ」「ノートまとめ」で
教科書の内容はつかめてきます。

脳の働きからいうと、論理思考、おもに左脳を重視した勉強法です。

この勉強法の目的は、テストで点を1点でも多くとること。

左脳のほかに右脳もありますので、フル活用したいところです。

ということで、右脳の得意なイメージ学習を行います。

教科書を開いたときに、パッと内容が見える状態にしておきます。

例えば、江戸幕府の改革、

「享保の改革」「田沼意次の政治」「寛政の改革」「天保の改革」

これらが書かれてある部分に番号をふります。

そして→で順番につないであげるのです。

左脳で勉強するときは、教科書をじっくり読み
右脳で勉強するときは、→や記号などを見る

こうやって、脳を使い分けて勉強するのです。

テスト前の教科書の使い方

テスト前には「通読」「バラバラ読み」をします。

違いは、教科書を順番通りに読むか、読まないかです。

通読で周辺情報を拾う

教科書を順番通りに読みます。

どの教科でも、生徒に分かりやすい順番になるように、教科書は作られてます。

例えば、歴史は「縄文」→「弥生」、、、、「鎌倉」→「室町」、、、
という感じで時代順に掲載されてます。

数学であれば、はじめに計算を習って、その次に文章題、そして関数や図形
という順番になってます。

通読するということは、脳に入りやすい順番で読むということです。

とはいえ、「シンプル読み」や「クイズ」「ノートまとめ」で
ある程度教科書は読んでるわけなので

「もういいんじゃね」と思うかもしれません。

通読のよいところは、「シンプル読み」[クイズ」「ノートまとめ」で
はぶかれた周辺情報を脳にインプットできることです。

一番分かりやすいのは、グラフや絵です。

すでに教科書の要点部分は、見えてる状態なので、
それに周辺情報をからませることは、比較的カンタンなのです。

周辺情報はテストの答えになる可能性は低いかもしれません。

ただ、問題文の中にでてくる可能性はあります。

テストの問題をみて、周辺情報の絵がのってたとします。

すると脳は、そこにからめてある情報をすぐに探しだすことができます。

つまり、脳にかける負担、エネルギーを最小限にでき、かつ短時間で答えを導ける
ということです。

脳は、体全体の25%のエネルギーを消費してます。

1日のテストが1教科だけなら良いですが、定期テストはそうもいきませんよね。

最低でも3教科はやると思います。

高校入試なんて1日で5教科やるわけです。

エネルギーと時間を効率的に使うには、インプットのやり方から入らないとダメなんです。

バラバラ読みで応用題に備える

通読だけの勉強では、テストの回答時間を短縮できない問題があります。

それは「応用題」です。

例えば、数学なら複数の定理を使って解く場合。

なので、通読に慣れてきたら、今度はバラバラに読んでみましょう。

通読だけだと順番通りに知識を探すクセがつくので
バラバラ読みで、どこからでも探せる練習をします。

何回かやってると、脳のなかで、ある知識とある知識がかたまりになることがあります。

通読だとA→B→C→Dとすすむので、それぞれの横同士がつながることはあっても「AとDがつながること」はなかなかありません。

でも、バラバラ読みをしてると
「A→D」と読むこともありますので、もしかして、こういうつながりが
あるのではないかなと脳がひらめくことがあります。

もしひらめいたら、すぐにメモしてください。
どこでも良いです。

教科書にメモしてもかまいません。
ひらめいた内容はすぐ忘れますので、必ずメモする習慣をつけてください。

アルパカ

「小中学の子育てナビ」は、お母さんがいつでも笑顔でいられるように、という思いで開設されたメディアです。

個別指導15年、1000人以上の子どもを教え、同時に保護者と接してきました。その経験をまとめました。仕事や家事で忙しいお母さんの負担を少しでも軽くできたら嬉しいです!
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