中学生の塾選びのポイントを「集団と個別の違い」「全国展開教室か?地元型か?」「カリキュラム(予習型?復習型?)」「リアル授業か?映像授業か?」という複数の切り口でまとめました。
学習塾を探す場合、費用が気になりますよね~。でも激安を売りにする教室以外、それほど大差がありません。ホームページやパンフレットを見ても、だいたい似たようなことしか書いてません(汗)
個別指導塾で15年勤務した自分の経験を織り交ぜながら、保護者が注目すべき「中学生の子どもの塾選びのコツ」を記事にしてみました。
中学生は集団塾か個別塾か?
昔からある中学校で行われる授業形式とほぼ同じなのが「集団塾」
塾の経営的視点からいえば、1度にたくさんの授業で行うのが理想です。
しかし、個別指導が全盛の時代であり、集団授業のウケが悪いため「できるだけ少人数」というのが現在の一般的な集団塾の形式になります。具体的には10数名がいいところ。
現在、塾といえば「個別指導塾』というぐらい主流になりました。10年前だと珍しがられましたが、時代は変わったものです。イメージとして家庭教師が自宅に来ないで、教室で(個別にブースで区切られた空間)授業をする感じす。
一番注意したいのは「個別」という言葉からくる“すれ違い”です。あなたは「個別指導」と聞いたら、何人の生徒に授業するとイメージしますか?
個別なんだから1対1に決まってるでしょう~
という人もいますし、数名という人もいます。
現在中学生対象の個別指導塾は、1回の授業は60分~90分、生徒1~3名に対し講師が1名つく教室が多いです。
激安を売りにする塾だと最大数5名でやってる塾もあります。授業料が安くなるほど生徒の人数が増えるというイメージをもっておけば大丈夫です。
ある程度、成績が良い子の場合
中学校の授業である程度理解できている子どもに関しては【集団塾」「個別指導塾」もどちらも退屈になる可能性があります。つまり同じ授業を2回受けるという感覚になるからです。
ある程度の成績があって、さらに上を目指す場合は「なぜ塾に通うのか?」「本当に必要なのか?」という視点で検討されてください。
例えば「苦手な部分の強化」だけなら夏休みや冬休みだけ、講習会に参加するだけで十分でしょう。
根本的に「理科」は苦手(全くダメということでないけど、効率的に学びたい)という子どもなら、週に1回のペースで理科だけ個別指導で学習するのも良いでしょう。
予備校の場合は単科生という形で教科ごとに授業に参加できますが、中学生対象の集団塾は5教科セットであることがほとんだと思います。勉強ができる子にとって、わかっているところを聞かないといけないことは苦痛以外の何物でもありません。
個別指導の教室によっては、分からないところを教える形式も可能です。つまり今週は学校で受けたイオンの授業が分からないから教えてほしい、来週は因数分解のこの問題。。。みたいな感じです。
成績の良い子が、効率よく勉強したい場合は一番この方法がコスパが良いでしょう。ただしイレギュラーな授業方法になるので、どの教室でもできることではありません。講師のスキルも必要になります。できるかどうかを確認してみて、受け入れ可能であれば試してみるのも良いでしょう。
※個別指導塾に勤務する講師は、一般的にはペーパーテストをクリアしているので複数教科の指導も可能だと思われがちです。ましてや中学生レベルだし、、、。しかしこれは大間違いで、「問題を解ける」と「教えられる」は似て非なるものです。
教えるには、解けるだけの状態よりも3倍以上の知識と力が必要になります。教師は10年やってスタートラインというのは、中学校のように生徒指導がない塾講師といえ同じことが言えると私は考えています。
全国に教室を展開してるか?個人の塾なのか?
子どもの塾選びを信頼感という意味で考えたとき、経営母体という切り口で「全国展開か個人経営か」という視点もあります。
全国展開=信頼できる
という考え方です。この考え方に間違いはありませんが、絶対的な物差しにはなりません。コンプライアンス(法令遵守)という意味での安心感はありますが、子どもが塾を気に入るのか?成績が上がるのか?は別の話しなのです。
特に全国展開してる個別指導塾は、教室運営者(多くは教室長)の力量がものをいいます。というのも全国展開の教室はFC(フランチャイズ)なので、看板(イメージや信頼感)ブースや机、パンフレットなど一般的に箱モノと言われるものは準備してくれるけど、その地域のデータは自分の足で、、、という会社がほとんどです。
※もちろん本部が運営する直営校も存在します。出店の中心は大都市、チラシの折込回数が年間を通して常に多い場合は直営校の可能性が大きいです。FCは新生活の始まる時期、夏休み、冬休み前以外の時期も含めて安定して新聞折込をだせる予算はなかなかとれません。
塾のホームページに掲載されているシステムは直営であろうがFCであろうが、どの教室でも生徒さんに提供されます。大事なのは「子どもの成績を上げる」という視点でいくと「地域の情報」にいかい対応できているかが大事ですよね。中学校の過去問や入試を見据えた高校のデータ、過去問、模擬試験など。
全国展開している個別指導塾の場合、これらの情報は基本的に教室運営者(オーナー)が自分で探すことになります。本部から詳細なデータ提供はほぼありません。もちろん近隣に支店がある場合は、オーナー同士、本部と教室の橋渡しをするスーパーバイザーを通して情報提供も有りえますが。
お住いの地域に強い個人塾という選択肢も持っておいたほうが良いです。大事なのは「(教室の)ブランド」ではなく「子どもの成績を上げること」ですから^^
子どもの成績は地域の情報がなくても、上げることはできます。なぜならテストや入試の問題は教科書からでるからです。教科書は全国レベルで使われるものです。
それにそって指導プランをたてれば、成績アップは可能です。これは入試も同じです。
ただし「効率性」という意味では、地域の情報に強いほうが良いです。成績の悪い子、勉強が嫌いな子は集中力が持続しません※。なので短い時間で大事な部分だけを教えることも必要になります。
※分からないところが理解できた!中学校の先生の話の意味が分かった、テストの点数があがった。。。こういう小さな成功体験の繰り返しで子どもの集中力は上がってきます。初期段階では集中の持続力は少ないという意味合いです。
「この先生はこの分野をテストに多くだしてくる」と教えてくれるだけでも、テスト前の子どもは勉強が助かるものです。
もちろん教科書を隅から隅まで読み込んで、どの問題にも対応できるのが理想です。しかし、そこまでのレベルを生徒全員が求めているわけではありません。
特に最近の子どもが忙しく、効率的に点数をとれればそれで良いという人も多いです。そういう意味では地域の情報に精通している個人塾は、選択肢の一つとする価値はありますよ。
これは全国展開の教室でも同じことがいます。開講より地域情報を熱心に集めている教室は、ある意味地域の有力個人塾に劣らないほどのレベルがあります。
まとめると「看板」で塾を選ばないことです。ここは全国展開だから安心と安易に思わないことです。教室責任者の教育に関する熱意を直にあって判断することです。
塾のカリキュラムは予習型なのか?復習型なのか?
授業計画という切り口で、中学生対象の学習塾を考えてみましょう。カリキュラムに関しては集団塾も個別指導塾も「予習型」がほとんどです。
中学校の授業よりも早めに学習を進めることで、生徒の理解を6割~7割作っておき学校で8割までもっていく。そしてテスト前の勉強で9~10割という考え方です。
予習型のメリットは、学校の授業がおもしろくなる可能性があることです。今までは先生の言ってることがわかわからんと寝ていたのに、これ聞いたことある!!!と教師の話に耳を傾けるようになるケースです。
予習型のデメリットは、前段階の基礎知識が足りなさすぎて授業に参加できないことです。例えば中学1年生レベルの英語の知識がないのに、3年で習う現在完了形を理解するのは難しいというイメージ。
わたしの経験では成績が良くない子どもに対してでも、予習型でやったほうが得るものは多いと考えます。ただし条件つきで、足りない知識を補いながらやらないと意味がありません。特に積み木型の英語と数学。なので「補いながら授業ができない」集団は厳しいかもしれません。
とは言うものの、絶対集団がダメということもありません。例えば夏休みや冬休みから講習会に参加して、復習をめいっぱいやってから本科生になれば良いのです。
集団塾でも個別指導塾でも、夏休みや冬休みは「復習」がメインテーマになるので。カリキュラムよりも講師の説明の仕方が子どもに合うのから重要になります。
説明がわかりにくくて、ただ椅子に座ってるだけで夏休みが終わってしまうのでは意味がありません。集団塾で分からないところを個別指導塾で聞くというダブルスクールされてる人もいるくらいです。集団塾でハイレベルクラスも回された場合の子が多いです。
個別指導塾は、お子さんの状況に合わせたカリキュラムが作れるので、予習しつつ復習といやりかたも出来ないわけではありません。ただしこれも教室長の判断ですし、担当講師のスキルがものをいいます。機械的に一から十まで復習しても時間を浪費するだけになります。学校の授業においてかれますして定期テストに間に合いません。現在完了形を教えるのに、過去の足りない知識は何を補えば良いのかを講師が理解してないとできません。
子どもの過去の成績が悪い場合(特に英語と数学)は、料金は高くなりますが個別指導塾から検討するのが良いでしょう。同じ個別指導でも1名~3名と幅があります。つまり人数が多くなると、子ども1人あたりに指導できる時間も減ります。
わたしは1回の授業で講師がべったりついてる1対1の授業はコスパが悪いと考えています。やはり説明を受けたら、自分一人で考える時間はとったほうが良いですから。なのでコスパが良いのは1対2。講師の説明を受けて、問題を説いている間に、講師は別の生徒の説明に行くという形式が一番よいです。
この形式は予習型の授業ですすめて、テストに間に合うくらいの進度になります。なので過去の復習を混ぜながら進めるとテスト対策用の授業ができなくなる可能性があります。テスト前3週間前ほどから増コマするなどで対応してもらえば良いでしょう。
リアル授業か?映像授業か?
最近多くなってるのがパソコンを利用した映像授業です。動画で授業を受けて、分からないところは教室にいる講師に質問する形式です。
教室運営面からみると、一番コストがかからない経営方法です。人件費を抑えることができるからです。なので1日にいくらでも授業見放題という形式をとっている教室も多いです。
映像授業は子どもの好き嫌いがはっきりします。あわない子には本当にあいません。
もし子どもに映像授業がピッタリとはまって、質問も自由にできる教室なら検討する余地はあります。理由は学習機会を多く与えることができるからです。
費用的には個別指導塾で週2回行くぐらいの費用はとられるので、費用面では大差はつかないですが、授業が受け放題になればコスパは高いものになるでしょう。
映像授業だから安いと考えないほうがよいです。教室に話を実際に聞きにいくと、トータルで他の塾と変わらないぐらいにはなると思います。
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