子どもが勉強を始めたと思ったら、5分後にペンを回し始め、10分後にはスマホをいじっている。。。そんな光景に出くわしたことはありませんか?
「うちの子は集中力がないの」
子どもが小学生か中学生であるかに関係なく、入塾面談で保護者から質問を受けました。お母さん達と話しを繰り返すうちに面白いことが分かりました。
スポーツやゲームをする、楽器を演奏するなど好きなことをやるときの集中力はスゴイと。つまり「集中力」はあるけど、勉強に発揮されてないだけ。
「集中力」は、心理学やスポーツ学とさまざまな視点から研究され、対処法も確立されてます。話し出すとキリがないぐらいのテーマです。なので今回は「椅子に座るときの姿勢」にしぼって、勉強に集中させる方法を解説します。
これから話すことを実践するだけで、子どもの勉強の集中力は1.5倍~2倍上がります^^
勉強の集中力を持続するには血流を良くする姿勢をキープすること
勉強に集中させるなら、立ったままさせるのが最強です!あくまで脳の仕組みから考えればの話ですが。。。
ポイントは「血の流れ(血流)」にあります。脳に必要なエネルギー(ブドウ糖と酸素)は血流により運ばれます。集中すると脳にかかる負荷が大きくなるので、大量のエネルギーが必要になります。
ここまでが血流と脳の関係です。okでしょうか?
次に「姿勢と血流」の関係を話します。立っている、座っている、どちらがの姿勢が血流は良いと思いますか?
答えは「立っているとき」です。最近「スタンディングデスク」を取り入れる企業が増えました。デスクワーク中心の生活だと、肩こりや目の疲れ、疲労の蓄積や集中力の分散と、健康に良くないからです。
立ちながら勉強や仕事をするデメリットは体の負荷が大きいことです。長時間立っていると疲れますからね。
立ちながら勉強するのが最強だとしても、現実的には座ってするのが基本になります。どうしたら状態を少しでも良くできるかを話します。
座る姿勢ひとつで血流が変わります。猫背や脚を組むなどの悪い姿勢は、脳へのエネルギー(ブドウや酸素)不足を引き起こします。
勉強中にあくびをしたり、テーブル、机、部屋の周りが気にして集中できません。
「猫背になる、背中が丸まる」「脚を組む」など大人でも日常やってしまっているものばかり。
背もたれに背中をべったりさせると集中力が落ちるのを知ってますか?椅子に背もたれはつきものですから、背中が丸まらないようにしてたのに、、、とビックリされるお母さんが多かったです。
背中を伸ばすことは悪くないですが、こしを伸ばし続けることで血流が悪くなるのです。
「子どもの姿勢をよくする(矯正する)椅子」というのをご存知ですか?見たことがある人なら分かると思いますが、「背もたれがない椅子」が多いんですよね。そこからも背もたれに背中をべったりする座り方が良くないことが分ります。
子どもが勉強に集中できる椅子の姿勢とは
ここまでが「子どもの姿勢と集中力」の関係でした。座り方が悪いと血流が悪化して脳に必要なだけのエネルギー(酸素やブドウ糖)が供給されず集中力が続かないという理屈でした。
ここからは「正しい座り方」についての話です。
子どもが椅子に座るときに注意してほしいポイントをいくつかご紹介しますので、保護者の方がチェックしてあげてください。
・脚を組まない
・あごを引く
・両膝をつける
・背もたれを使わない
・椅子に深く座る
この5点に注意して、子どもの座り方を確認してみましょう。特に小学生の女の子は精神的な成長が男の子よりも早く、大人のマネをしたがります。
なので「脚を組む姿勢」を好んでやります。お母さんが脚を組むクセがある場合は特に注意しないといけません。
15分~25分に1回は血流を良くするために歩かせる
「家庭学習への集中力を持続する正しい座り方」の話は以上です。いかがでしたでしょうか?ここで注意していただきたいのは、冒頭で話した部分。
あくまでも立って勉強するほうが最強だという話です。正しい座り方で勉強しても、永遠に集中力が続くわけではありません。
せいぜい15分が良いところです。なので15分~20分に1回、立たせてください。立つだけでなく周囲を歩かせて血の循環をよくさせます。
少し話が脱線しますが、中学生の定期テストや塾での学力テストでの話です。はじめの「国語」のテストが終わったあと、子どもがどうしているかを確認してみてください。
トイレに行く子もいれば、次の数学に向けてそのまま座って勉強している子もいます。
もし子どもがそのまま勉強しているタイプなら、少しの時間で良いので教室や廊下を歩かせるようにしてください。ただでさえ、国語のテストで脳はエネルギーを消費しています。酸素とブドウ糖がほしいのです。
一度立ち上がることで血流を改善させると、脳へのエネルギー供給が回復します。塾のテストだと休み時間の過ごし方までうるさく言いません。なのでチョコレートを食べて脳のエネルギーを供給しようとしている子を見かけます。それ自体は悪くありませんが、できれば歩かせてください。いくらブドウ糖を摂取しても、脳に届かないと意味がありません。
※テスト会場で飲食が可能かどうかは別の話
クリエイティブな職業につかせるならポモドーロを極めるべし
集中力と時間の関係では「ポモドーロ」というテクニックも有効です。方法は簡単で25分おきに休憩をはさんで5セット繰り返すというものです。
学校の授業は1教科40分~45分で設定されていますが、あれは先生の話を聞くという意味での集中力持続時間を計算して設定されています。自ら作業する場合の集中力はそれほど長くは続きません。今回は15分ほどでいちど休憩を入れるように説明しています。基本的にはこれで間違いありませんが、人によっては25分ぐらいがちょうど良い場合もあります。なおで「ポモドーロ」を紹介することにしました。
1セット目(25分)→休憩(5分)→2セット目(25分)→休憩(5分)
→3セット目(25分)→休憩(5分)→4セット目(25分)→休憩(5分)
→5セット目(25分)→休憩(5分)
これで1ターンとします。この間は全部算数の勉強にしても良いですが、複数教科になっても問題ありません。さらに勉強する場合は30分ほどの休憩をはさんで2ターン目に入ります。
ポモドーロは集中力を効率的に持続するための方法論ですなので「子どもの勉強」だけでなく大人でも勉強や仕事の作業をするときに利用できます。子どもよりも大人、特に「開発者やデザイナーなどクリエイティブな仕事」をしている人が実践しています。
ポモドーロは90年代に始まったもので歴史が浅く、クリエイティブな職業者の間で広まっている時間の使い方なので、教育現場に知っている人が少ないというのもあります。
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