中学1年生の子どもの英語の成績を上げたいとき、保護者はどうするべきかを話します。
参考書や問題集を買いに本屋に行くのはまだ早いです。なぜ英語の成績が上がらないか、原因を探るのが優先されます。
まず文法と英単語をどれだけ習得してるかです。中学生の定期テストはこれだけで6割~7割はとれます。
子どもがまだ中学1年生であれば、復習すべき内容は英文法と単語を合わせても、大量にはなりません。1ヶ月みっちり勉強すれば追いつけます。
基本的に学校の教科書と補助教材のワーク(問題集)があれば十分です。前提としては今まで学習した教科書の範囲の英文の訳、英単語のすぐ確認できる状態がベストです。
あくまでも「確認」であり「覚えている」ではありません。英文訳に関しては中学校の先生が何かしらの形で授業中に伝えているはずです。全文訳が書かれたプリントを配布する人もいれば、ノートに書かせる教師もいます。いずれにせよ授業にきちんと参加してれば問題ないと思います。
もし欠席、公欠が所々あって、つぎはぎ状態だとか、全然授業に参加したあとが見られない場合は、教科書ガイドを買いましょう。全文訳と英単語の意味は掲載されてますので。
ここで王道コースと、邪道コースの2つに勉強法をわけて書いておきます。
定期テスト2週間前の英語の勉強法(前回30点以下の子)
邪道コース
時期:テスト2周間前
内容:テスト範囲の基礎英文の丸暗記
:テスト範囲の英単語の丸暗記
対象者:定期テスト30点以下
さきに邪道コースからいきます。これは教科書の基本文の丸暗記です。中学英語の教科書は必ず本文に入る前に基本英文は1つか2つ掲載されています。そのセクション(教科書会社によってユニット、レッスンなど表記は違います)ごとに生徒に習得させたい英文法が入り込んでます。
本来であれば英文法の理屈を知ってから暗記させるべきですが、実は音読を何回もさせながらノートに何回も書けば暗記できてしまいます。これは英語の成績が悪い子でも可能です。努力と根性でこなせます。
邪道コースはテストまで時間がない場合に有効です。中学校の先生は成績が悪い子でも点数がとれるラッキー問題を必ず用意してくれます。ラッキーと言ってもテスト勉強を全くしてない子ではとれない問題を用意します。
教科書の基本文はラッキー問題として出題されやすいです。テストまで時間がない場合は、努力と根性で覚えさせてください。
これは、点数をとらせるだけの付け焼き刃的な話ではありません。テスト勉強をして、苦手を思っていた英語で丸がつく。このインパクトははかりしれないものがあります。
このフレーズの一部を別の単語に変えて考えれば、応用もききます。これからの学習でも必ず役立ちます。まずは杭を打つのです。そこから家をたて森を作り、畑をつくります。
これから話す王道コースとセットで行うと効果的です。なぜなら王道コースは簡単に言ってしまえば過去の復習です。なので時間がかかります。もし勉強している間に定期テストが近づいてきたらどうでしょうか?テスト範囲の勉強をするまえに試験日になってしまうかもしれません。なのでテスト2周間前になったら邪道コースを優先しておこなってください。
中1の内容であれば、勉強を開始する時期にもよりますが、王道→邪道という順番でこなせるはずですが、念のためお伝えしておきます。
ちなみにテスト範囲の英単語も丸暗記しておきましょう。覚えるときは「日本語→英単語」「英単語→日本語」の両方を暗記します。日本語と英単語をセットにしてそのまま覚えられる子なら、そうしてください。
覚えられないときには、教科書のストーリーと一緒に覚えようとすると、最初の数回では記憶に残りませんが、繰り返すうちに単語を思い出せるようになります。
邪道コースは基本的な部分の習得になるので30点以下の子どもに有効です。
基本的には王道コースで勉強させるようにしてください。
定期テストで60~70点取りたい子の勉強法(テスト週間意外)
王道コース
時期:テスト週間意外
内容:教科書の英文法の習得
:教科書の英単語の暗記
目標到達ライン:定期テスト60~70点
まず英文法をマスターさせます。そして学校で配られているワーク(問題集)を何度も繰り返し解かせて、まとめとして市販の問題集1冊を終わらせます。
学校のワークで演習するのは、今後のテスト対策の勉強法として使うからです。中学校の定期テストが授業で配られたプリントや問題集からの出題がほとんどです。点数がとれていない子の多くは、学校の問題集を何度もといていません。ここでは定期テストが目的の勉強ではありませんが、範囲は違えどテスト勉強法の型を習得させることも目標のひとつとします。
英文法はルールがたくさんあって嫌がる子どもが多いです。しかし共通項をあぶりだしていけば、少ないルールでいろいろな問題が解けるようになる優れものです。
英語が不得意な中1生はとにかく「動詞」を理解させる
英文法の基礎土台になるのは「動詞」です。これさえ理解できれば、あとはおまけのようなものです。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、本気で言ってます。
わたしは英語が不得意で困って塾に通うようになった子には、例外なく全員「動詞」を探すことをやってもらいました。
英文法で「動詞」と言うと大きく2つに分かれます。
動詞・・・be動詞
一般動詞
この2つです。be動詞は「is,am,are、そして過去形のwas,were」しかありません。
一般動詞は「走る=run」「好き=like」「勉強する=study」などです。
まずは英文を見たらとにかく動詞に丸をつけること。できればペンを2種類用意してもらい、be動詞は赤丸、一般動詞は青丸で囲っていきます。
なぜ、このような作業をさせるかというと「肯定文」「疑問文」「否定文」の書き換えに強くなるためにです。
この書き換えのルールは「be動詞」と「一般動詞」では全然違います。ここをあやふやに先に進むと、この先の何をやっても点数が安定しません。
be動詞・・・疑問文を作るときにはbe動詞を主語の前にもってくること。
否定文を作るときにはbe動詞のあとにnotをおくこと。
一般動詞・・・疑問文を作るときには主語の前にdoをおくこと。
否定文を作るときには一般動詞の前にdo notをおくこと。
’ ※主語が三人単数形の場合はdoではなくdoesを使用。一般動詞は原形に戻すこと)
どちらのルールを適用させればいいのかハッキリしないのです。なので赤丸と青丸を書かせることで、疑問文と否定文の作り方は2パターンあることを常に意識させます。
これはどんなときも例外なく絶対やります。「もう分かったから。。。」ぐらいでやめるのは甘いです。その程度でやめたら1ヶ月もしないうちに忘れてしまいます。これは中2、中3になってこを威力を発揮します。なのでずっと使い続けるルールだと認識させることが重要です。
例えば
The game was made in Japan.
という英文があったとしましょう。中3英語で登場する「受身形」の英文で「そのゲームは日本で作られました」という意味です。
この英文を疑問文と否定文に書き換えるとき、英語がわかってない子だとdoとかdoesとか、didを使いたがります。
これは赤丸と青丸で識別させれば簡単で、wasがbe動詞だということさえ理解できればルール通りに書きかえて終了です。
つまり 前述の
be動詞・・・疑問文を作るときにはbe動詞を主語の前にもってくること。
否定文を作るときにはbe動詞のあとにnotをおくこと。
を適用させるだけ。
疑問文: Was the game was made in Japan?
否定文 :The game was not made in Japan.
たったこれだけのことを、英文法ではことさら難しく説明します。どういうことかといえば、受身形のときにはね、疑問文を作るときには~で否定文を作るときには~で。という感じでさも新しいものを説明しているように教えます。テキストにも新ルールとして要点がまとめられています。
するとですね、英語の勉強が分からない、つまらない子どもは新しいルールを見るたびに「うぜぇ」「わからん」と反発しちゃうんですよ。
いやいや、それ何にも新しいルールじゃないよ。とわたしは教えてあげます。こうすることで心理的な負担を和らげます。ただでさえ苦手意識をもってますからね。
いきなり中3の話をしてしまいましましたが、いかに赤丸と青丸で動詞を区別することが重要なのかを分かってほしかったから時間をとりました。
まずはステップ1をクリアすることを目標にしてください。そのためにはすでに学校で習った英単語のうち動詞を優先して覚えさせるようにします。
さきほど紹介した2つのルール
be動詞・・・疑問文を作るときにはbe動詞を主語の前にもってくること。
否定文を作るときにはbe動詞のあとにnotをおくこと。
一般動詞・・・疑問文を作るときには主語の前にdoをおくこと。
否定文を作るときには一般動詞の前にdo notをおくこと。
’ ※主語が三人単数形の場合はdoではなくdoesを使用。一般動詞は原形に戻すこと)
これは暗記させる必要はありません。英語が苦手な子には「暗記」はできるだけ減らすのが一番良いです。このルールを英語の勉強をするときに常に確認できる状態にしておいてください。
そして疑問文と否定文に書き換える練習をするたびに、ルールを確認させてください。それだけでかまいません。何十回、何百回くりかえしていけば、じきに覚えます。
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