小学生で口呼吸をしている子どもが増えてきています。口をポワーンとあけていると「バカに見えるからやめなさい」と母親に怒られたものです。
現在では口呼吸によるマイナスの影響が研究により分かってきています。早い段階で子どもの口呼吸をやめさせて鼻呼吸したほうが良いとされています。
「呼吸は意識的なものだから低学年は無理でも、学年があがれば意識的に鼻呼吸に矯正できるのでは?」と考える保護者もいます。
この質問に関しては「厳しいですよ」と答えるようにしています。なぜなら大人でも鼻呼吸ではなく口呼吸で過ごしている人が大勢いるからです。一説によると世代によっては8割を超えるという統計もあります。
この8割という数字について軽く補足しておきます。若い世代に多いのですが、根本的に呼吸を間違っている人がいます。呼吸は口でするものと認識しているのです。スタート時点でずれているタイプです。このパターンならば矯正して修正することは可能かもしれません。
口呼吸なのか?鼻呼吸なのか分からない小学生が多い
自分が鼻呼吸なのか、口呼吸なのかを考える機会はなかなかありませんよね。しかも身体にトラブルがでない限り矯正しようと思わないのが普通かもしれません。
まだ小さい子どもに関しては、早い段階で矯正するべきです。具体的に身体のトラブルをいうと「アレルギー体質になる」「眠りが浅くなる」「いびきをかく」「勉強やスポーツに集中できない」「唇が分厚くなる」「口臭、体臭が強くなる」といった直接的なものがまずあげられます。
これらは生活を共にする親なら気づきやすい症状ですよね。保護者でも子どもの変化に気づきにくいトラブルとしては「臭覚が弱くなる」「味覚障害」があります。
口呼吸ばかりしていると鼻の機能が低下して匂いを嗅ぎ分ける力が低下するリスクがあるのです。さらに口で息をすると舌の粘膜が乾燥しやすいため「甘い、しょっぱい、すっぱい、からい、にがい」などの味覚に障害がでるリスクもでてきます。
この2つが厄介なのは、子ども本人しか分からないということです。小学校でも検査しませんから、子どもが大きくなって初めて分かるケースもあります。
鼻呼吸するから空気に含まれる病原菌をブロックできる
毎日吸っている空気には体内に必要な酸素のほかにホコリや病原菌が含まれています。インフルエンザなどの病気が流行るたびに、空気感染の恐れがあるかないかと説明させるのはそのためです。ストレートに病気になる原因物質の他に、ジワジワと身体の機能を低下させる菌(アレルギー物質)など種類は豊富です。
鼻呼吸してると喉に到達するまえにホコリや菌をストップできる可能性があります。分かりやすいものでいえば鼻毛と粘膜ですね。ムダに生えているわけではありません。空気の汚い所で生活していると鼻毛が伸びるといいますが、それは生理現象として当然なんですね。
菌が身体に入り込まないようにする鼻呼吸に対して、口呼吸はダイレクトに吸い込んでしまいます。小学生の子どもの体はまだ成長期なので、免疫力も強くありません。アレルギー体質になってしまう可能性もあります。
その症状がアトピーなどの皮膚にでるのか?気管支ぜんそくや花粉症としてでるのか?これは子どもの体質や住んでいる環境によって違ってきます。いずれにせよ、アレルギー体質の子どもの苦しみや悩みは深く(もちろん保護者も含めて)、できれば防げるものは予防したいものです。
病院で治療できるといっても、完全に治すことはできません。慢性的な疾患を抱えつつ生きていかなければなりません。病院に行けば即解決ということではありませんので、予防することが重要です。発症したとしても病院で治療しながら、呼吸法や生活習慣を見直すことで、日常生活に影響ないレベルまで改善できている事例はたくさんあります。
睡眠中に口呼吸の子どもは眠りが浅く疲れやすい!イビキもかきやすい
口呼吸が原因で睡眠が浅くなり、いびきをかく、疲れがとれないのも問題です。人間は眠ることで精神的に、身体的にもリフレッシュします。脳の記憶の整理も寝ている間に行われますし、臓器の掃除もこの時間に行われます。
疲れを残したまま小学校に行っても、勉強に集中できませんので成績も下がるいっぽうです。眠いまま登校しますので車にひかれるかもしれません。
「いびき」も問題です。特に女の子は高校生や大学生になってから、自分がいびきをかくのでお泊りや旅行ができないと心配するパターンが多いです。それだけでなく結婚にも問題してきます。パートナーのいびきがひどくて眠れない人が多いのです。よくて別居、最悪は離婚です。たかが「いびき」と思ってはいけません。一晩よく眠れなかっただけでも、その日の体調にものすごく影響しませんか?それが一生続くとしたら別居は離婚はあっておかしくもない話なのです。
口呼吸が口臭や体臭の原因になることも
大人でも口臭で悩む人は多いと思います。口呼吸していると外気にふれるので口の中が常に乾燥している状態です。本来であれば口の中は湿ってないといけません。じゃないと唾液の仕事のひとつである殺菌や消毒ができなくなるからです。体内の悪玉菌の数が増える原因にもなると言われています。体内の悪玉菌が増えると強いニオイが発生します。
子どもの口臭がひどいと学校でのいじめも起きやすくなります。まだ先に話になるでしょうが異性にモテるかどうかにも関係してきます。もし子どもが女の子で、うちの娘は嫁にやらん!!!と言っているお父さんがいたら注意してくださいね。
もちろん子どもの幸せを願わない親はいませんから、冗談で言っているだけでしょう。でもですね。いつまでも結婚せずに家にいられても問題なんですよ。
老後に家計が破綻する人が増えているのですが、原因は「大きな病気にかかる」か「結婚しない子ども、離婚して実家に戻ってきた子どもの面倒をみる」の2つです。大きな病気に関しては医療費の控除などでまかなえますが、子どもの面倒を年金や貯金でみることになるとは想像もしてなかった。。。こんな状況なんです。
なので子どもに、いつまでも家にいられるのも問題だという今から認識しておくことが重要です。
うつ病にも呼吸法が関連していた!
結婚はまだ先だとしても、大学生や社会人になるのはそう遠くありません。呼吸法と関連性が強いとされているものでは「うつ病」が注目されています。
いまや15人~20人に一人はうつ病にかかってると言われています。自分の子どもが将来うつ病になる要因を少しでも減らせるものら減らしたいですよね。
うつ病といえばストレスとの関連性をイメージすると思いますが、人間がイライラしてたり我慢してるときの顔を想像してみてください。
顔の下半分に力が入ります。特にあごが梅干しみたいにシワシワになります。無意識に口を閉じて歯を噛み合わせて我慢してるからです。子どもやパートナーのあごがシワシワになっていたら、何か問題が発生しているのかなと気にかけておきましょう。
30代や40代に多い関節リウマチの発症も口呼吸と関連があります。これは一例で年齢を重ねると発症しやすくなる病気には、少なからず日頃の呼吸法が関係しています。
まだ小学生の子どもと思っていても、あっという間に大きくなります。保護者の力で取り払える負の遺産は、できるだけ消し去ることも重要ではないでしょうか?
小学生の子どもの口呼吸をやめて鼻呼吸にする方法
子どもに「呼吸は鼻でするもの」と意識させてください。大人でも「呼吸は口でするもの」と間違えている人もいるくらいです。まずスタート時点でズレないようにしましょう。
次は「子どもの舌の位置」です。口呼吸している場合、舌先が前歯の後ろについていることが多いです。鼻呼吸がきちんと出来てると、舌はそこにつきません。だから気道が大きく確保できて十分な空気が吸い込まれるのです。舌が前歯の後ろについてると、気道があっぱくされて狭くなります。すると1度に吸い込める空気の量が少なくなるので、小まめに吸わないといけなくなります。
脳に十分な空気を供給することも、子どもが勉強やスポーツに集中するために必要なことです。
舌を前歯の後ろにつかないように意識させてください。口呼吸ではなく鼻呼吸にするための大人用のおしゃぶり※が販売されています。口を開かないようにする効果もありますが、口に加えることで舌の位置を変える効果もあります。小学生用にも販売されてますので、試してみるのも良いでしょう。※睡眠時に使うことを想定している商品です。
口を開かないようにするテープも販売されています。鼻炎の子に使うのはいけませんが、鼻に問題ないなら試してみても良いでしょう。テープは縦に貼り口全体を塞ぐものではありません。子どもが怖がるようだと慢性的に口呼吸している可能性が高いです。つまり呼吸は口でするものだから、そこを塞がれたら死んでしまうと考えるわけです。
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