中学生が社会科(歴史)を勉強してると「年号は覚えるべきなの?」という疑問を持つ可能性があります。親が子どもの勉強をみてる場合、聞かれる可能性もあります。
710年は「何と美しい平城京」、794年は「鳴くようぐいす、平安京」などお母さん、お父さんも中学生のころに暗記したことがあるかもしれませんね。個別指導で15年間授業をしてきた経験から話をしたいと思います。
中学歴史の勉強に年号暗記は必要?
結論から先に申し上げると「覚えておいて損はなし」。年号を暗記してなくても定期テスト(中間考査、期末考査)や高校入試で致命的にはなりません。
歴史の年号を暗記するメリットを具体的に説明します。
筆記問題として直接数字(年号)を記入させることはほぼありません。あるとしても定期テストぐらい。では覚えるメリットは何かといえば「A~Dの出来事を起きた順に並べ替えなさい」「日清戦争が始まったのは年表のA~Dの中でどの部分か?」みたいな問題に高速で回答できることです。
今説明したのは「年表を縦に見たときの問題」で、次に説明するのは「横のつながり問題」です。中学社会科の問題の場合、中国の王朝の絡みで出題されることが多いです。例えば「アヘン戦争」が始まったあたりの日本の出来事をA~Dの中から選びなさい」という問題。だいたい解答は「水野忠邦の天保の改革」です。
ちなみにアヘン戦争は1840年、天保の改革は1841年です。 「人はしれ(1840)アヘンの怖さ」「水野さん、人はよい(1841)のに改革失敗」みたいな年号で暗記させることが多いと思います。
家で歴史の勉強をするときに教科書の年表を確認している人なら、年号を暗記してなくても答えられるレベルの問題ではあります。ただし歴史が嫌いな子の場合、日本だけでも大変なのに中国まで頭が回りません。そういう意味ではテストにでやすい出来事の年号を暗記しておくメリットはあります。
歴史の縦と横の問題をスピーディーかつ自信を持って回答できるようになります。テストや入試問題は何が出題されるか分かりません。特に国語の問題は、フィリングでといている子も多く問題文との相性次第と、入試本番までドキドキしている人もいます。そういう意味では社会科は、これを暗記しておけばなんとかなるという範囲が明確です。
年号暗記という作業は無味乾燥でおもしろくないわけですが、問題パターンを無数に作れる国語、数学、英語への不安を和らげる効果は絶大とも言えます。もちろん中学社会科は地理、歴史、公民の3つで構成されますので年号暗記で稼げる得点は1桁しかないでしょう。社会回の勉強にかける時間と得られる得点や心理的な安らぎを天秤にかけながら勉強しないといけません。具体的な勉強法があとから紹介します。
よく「歴史は流れで覚えようと」と中学校や塾の先生は指導されますし、本屋で入手できる参考書や問題集にもアドバイスされています。「因果関係を意識しながら歴史を流れでとらえる」ことは学習指導要領にも明記されてます。つまり年号を暗記してなくても解けるような問題を定期テストや高校入試では出題しないといけません。
例外として私立高校の入試問題は地域によっては教科書の内容を大幅に超えている場合もあります。年号を暗記してないと解けない出題されています。ただし、そういう高校の合格者平均点はだいたい低いので、重箱の隅をつつくような勉強をするかどうかは5教科のバランスで考えるべきでしょう。入試はあくまでも総合得点での勝負になります。
因果関係を意識しながら中学社会科(歴史)を習得するには、分かりやすい説明が必要です。もちろん教科書に明記されていますので、じっくり読み込めば理解できるように作られています。ただし学校の先生に一度説明を受けていても、記憶に残っていない子が多いです。自分で教科書を広げて読み込もうとしても5分で爆睡という子も珍しくありません。
ノートに綺麗にまとめるのが好きな子どもは、作業は楽しくやります。自分の作ったノートを読んでみると、流れは分からないし、そもそも何が重要で暗記するべきかさえも分かりません。
親に勉強の仕方が分からないと質問されても、「社会科なんで暗記なんだから、覚えなさいよ」とついつい言ってしまう人も。これでは歴史を得点源にすることはできません。
そういう子に年号暗記の勉強法はおすすめです。まず本屋さんで年号がまとまっている参考書を買います。できれば使う本人に確認してもらい、好みのものを選ばせるようにします。
注意していただきたいのは、購入した参考書を初めから順番に暗記しようとしないことです。全部覚える必要はありませんし、たぶん挫折します。
そうではなくて、「定期テストや入試で軸になる言葉をまとめたノート」に重要年号があれば、追加記入して暗記するようにします。ノートの作り方は過去にまとめた記事がありますので、、そちらを読んでみてください。
この勉強法は「流れだけで歴史を理解する勉強法」と「年号丸暗記の勉強法」の真ん中あたりに位置します。重要人物を軸にしながら、歴史用語を記憶していきます。
この勉強法で基本的な歴史軸を子どもの脳に作り、あとは文化や「遼東半島」や「バルカン半島」などテストや入試に出題されやすい場所を地図で覚えるなどしていけば成績は上がっていきます。
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