中学生の子どもに正しい目標の立て方を教えたい保護者向けの話をします。定期テストや高校受験の勉強を始める前に、どんな目標をたてるかで経過も結果も違ってきます。
テスト週間だけ集中して勉強するならクリアできるけど、日常的に勉強するとなとるやる気が続かない、モチベーションが上がらず3日坊主になる子どもは多いです。
今回は中学生の子どもに親から教えてほしい「正しい目標の立て方」について解説します。
やる気が上がらない、モチベーションが続かないのは目標設定が失敗してるから
中学生に目標を立てさせることは学校で必ずやります。ホームルームの時間を使ってテスト範囲を配る時期に必ず行います。やらない学校もあるかもしれませんが、塾に通っている子なら塾長や講師と相談して決めるでしょう。塾に通ってなくても自宅でお母さんやお父さんと話しあって決める家庭もあります。
定期テストの他に高校受験も同じように第一志望校、第二志望校と目標校を選定しますよね。ここで問題になるのは、目標を決めたけど子どものモチベーションが続かないことです。決めたときはやる気があったのに、時間がたつにつれて子どもが勉強しなくなるパターンですね。よくあることです。
「親が子どものコーチになって毎日働きかけないとモチベーショは維持できないの?」という質問をうけます。たしかに外部からの適度な働きかけ、賞賛は子どものやる気を継続するのに効果的ではあります。しかし本当に原因はそれだけなのかを先に考えるべきです。
理由は単純で「目標設定の仕方に間違いがあった」という子どもが多いのです。親や学校の先生には話せないけど塾になら話してくれることがあります。
「親や担任に自分は利用されてるのでは?」と考えてしまう
話しをきいていくと、目標に対して「やらされている感」があることが分かりました。最近はコーチングの技術が一般化しています。大人は「自分で目標を決めるように」とあくまでも子どもの意識で決めさせたようにもっていこうとします。
でも実際のところは、誘導されていることを感じている。この目標は本当に自分のため何だろうか?と思うわけです。
例えば地域で偏差値が一番高いA高校があるとしましょう。3人兄弟のうち、上の2人がA高校に合格しているとします。そして自分も気付いたら「第一志望校をA高校にしていた」とします。本当に行きたいと思える高校がないからA高校にしたわけですが、親も「あそこはいい高校だよ」とプッシュしてきたとしましょう。
結果的には子ども自身がA高校を選択したのに、納得はしてないわけです。すると「なぜ納得できないか?」を考えます。兄弟3人を頭のよい高校に入れて満足したいだけじゃないのか?わたしは利用されてるだけじゃないの?
そういえば担任の先生も、「Aにしろ!」とだけ言ってたな、、、生徒を頭の良い高校にいれたら先生も中学校も評価されるんじゃないのか?わたしは利用されてるだけじゃないの?
もちろん親や教員に、子どもを利用するつもりなどサラサラないとしますよ。でも脳は納得できないことに対して理由を探そうとします。
目標をたててもモチベーションが続かない子どもに多いパターンです。目標を達成することもメリットを自分ごととして感じられていないのです。
目標を達成した自分の未来がバラ色だというストーリーを作る
じゃあ、どういう目標のたて方をすればやる気をあげてモチベーションを維持できるか?について話します。
ポイントは「メリットを感じるストーリー」を子どもの中に作ってあげることです。中学生になれば考え方だけ教えて、メリットは自分で考えてもらってもかまいません。目標を達成した未来の自分に何の得があるのかを考えるのです。
単純に「A高校に合格する」ではなくて「A高校は家から近いので、自転車通学できるし、早起きする必要がない!!」でもよいでしょう。高校生はだいたい中学生のころよりは早めに家をでないといけません。朝が弱い子どもにはメリットとして感じるでしょう。
「A高校は制服じゃなくて私服でok!だから絶対合格する」でも良いでしょう。ファッションに興味がある子や制服が嫌いな子どもには十分な動機づけになります。
ストーリーの作り方は「未来の自分はバラ色」と脳がイメージできれば良いのです。誰かに自分は利用されてると感じなければそれで良い。つまり論理展開が破綻していても良いです。
例えば「A高校に合格して彼女(彼氏)を作って充実した学校生活をおくる」でも良いのです。別にA高校に行かないと彼氏や彼女ができないという理由はありません。偏差値が高い学校に、子どもの好みの異性がいるというなら話は別ですが、、、
大人がモノを買うときも同じ。商品ではな明るい未来にお金を払ってる
ただ「定期テストで90点をとる」「第一志望校は◯高校!」では目標としては不十分なんですね。目標設定というと、「高すぎても低すぎてもダメ!」「大人ではなく子どもに決めさせること」とテクニックが優先されてしまい子どもの気持ちが無視される傾向があります。
今回の話は大人だって同じなんです。例えば「シワをなくす化粧品」があるとしますね。この商品を注文したときに女性は何を買ったかということです。
別に化粧品自体がほしかったわけではなく「シワがなくなった自分」「鏡をみて微笑む自分」「旦那さんや子どもに、お母さん綺麗になった♪と賞賛されてる自分」という明るい未来を買ったのではないでしょうか?
子どもだって同じです。親や担任に、「あなたはA高校が一番あってるよ」と言われても化粧品と同じでなんですよ。これを使えば、ここに通えば、、、という未来の自分とリンクしたときにはじめて人は「ほしい」「行ってみたい」と自分ごととして目標をとらえるようになります。
まとめ
今回は中学生の子どもをもつ親向けに「正しい目標設定のしかた」について話しました。この方法をわたしも塾講師、教室長として生徒に利用して結果をだしてきました。興味のある人はぜひチャレンジしてみてください。
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