- 間違いを指摘すると怒る
- 間違えると泣く
↑こんな悩みがある、小学生を子育て中のお母さんやお父さんに向けて解説します。
この記事は、「子どもが泣く、怒る」がテーマです。
子供に勉強を教えるとき、怒ってしまう自分に悩んでる、怒らない方法を知りたい保護者は以下のリンク先ページを参考にしてください。
間違いを素直に受け入れられない子どもは、勉強時間が多くても成績が伸びません。
考え方の根っこの部分は中学生になっても変わりません。
反抗期に入れば親の力ではなおせません。
何事も初めが肝心!バツがつくと隠す、怒る、泣いてしまう子どもの対処法、スタートです。
- 子どもが怒ったり、泣く理由と対処法が分かります
- 親が言ってしまいがちなNGワードと正しい接し方を解説します
間違い(バツ)を嫌う子は、自己を客観視する力が育たない
「大人(特に保護者)の前で間違えることが恥ずかしい」と子どもは考えます。
「間違えても良い」という信頼関係がないと、すぐ消しゴムを使います。
赤ペンで書かれたバツを嫌い、全部◯じゃないと泣いてしまう。
低学年で全問正解は珍しくありません。紙いっぱいに書かれた花丸を喜びます。
しかし学年が上がると、なかなか全問正解できません。
花丸がもらえれば自分もうれしい、ママやパパも喜んでくれる。だからバツをもらうわけにはいかない、、、
子どもの偏差値に関係なく、みんな考えます。
バツを嫌がり隠そうとします。目を離すと答えを書きかえる子もいます。
間違いを嫌う子のなかには、自信のなさが裏目にでてる場合もあります。
そもそも子どもは、成功よりも失敗するほうが圧倒的に多いです。
特に男の子は、女の子よりも発達のスピードが遅いので、へこたれやすい。
ハードルを下げて必ずできることを毎日させてください。簡単な計算や文字の書き取りでも良いし、お手伝いでもかまいません。
親に褒められると自信がついて、他のことにもチャレンジするようになります。
どこから”やる気”は生まれるの?
勉強のやる気、モチベーションの維持はギャップから生まれます。
「今」と「未来」、自分の姿や力に差を感じると、気持ち悪くなり埋めたくなります。
間違えるのは楽しくないけど、勉強を続けることができるのです。
小学生は未来を想像する天才です。
明日のテストで満点をとる!宇宙飛行士になる!頭の中をタイムマシンで飛び回ります。
多くの子どもは「未来」は大丈夫なのですが、「今のジブン」を把握するのが不得意です。
これって大人になると逆になります。
キビシイ現実に向き合うことが多くなり「今のダメな自分」をこれでもかと思い知らされます。
子どもが今の自分を把握できない理由のひとつが、「間違い=恥ずかしい」という思い込みです。
泣いたり、怒ったり、隠したりして、できない自分を認めないわけです。
現状を受け入れないのですから、未来とのギャップが生まれません。
だから、できるようになりたい!成長したい!という意欲が湧いてこないのです。
目標と現実のギャップを明確にイメージできるほど、学習意欲は向上します。
空間をうめたいと思うのが人間の本能です。
・夢ばかり見るのもダメ
・現実しか見ないのもダメ
修正を受け入れる器が育たないと、いつも同じ部分で間違えます。
算数は各学年の関連性が強いので、これは致命傷になりかねません。
まれに怒らせないように、ムズカシイ問題を解かせない保護者もいます。
できる問題ばかりを解かせて、スゴイね~と褒める。
これで成績が伸びればよいのですが、そう簡単にはいきません。
むずかしい問題にチャレンジできる心を育てないと、子どもは成長しません。
幸福感が上がると生産性が1.4倍、創造性が4倍上がるというデータがあります。
これは子供の勉強にも応用できるはずです。
学習において、子供の幸福感を高めるには、少しだけ上のレベルの課題に取り組ませることです。
逆にいえば、間違いをさけて必ず100点がとれる問題ばかりやらせても、幸福感は高まりません。
子供のやる気がない、モチベーションが続かないとお悩みの保護者は、幸福度に注目してみてください。
人間が幸福と感じる要因は、お金や地位などは10%しかなく、行動が40%を占めると言われてます。
つまり、子供にゲームを買い与えたり、おこずかいをたくさんあげても、それほど幸せに感じてないのです。
勉強のやる気を高め、モチベーションを維持するには、教科書や問題集を広げたり、体験教室に参加したりと行動することが大事です。
やる気があるから行動するのではなく、行動するからやる気がうまれるのです。
行動するから幸せを感じる、だから次の行動がうまれるのです。
ちなみに、幸福度に与える要因の50%は遺伝的要素であり、これは自分でなんとかするのは難しい部分。
大きなシェアがあり、かつやろうと思えばできる「行動」こそ、注目すべき要因というわけです。
スタンフォード大学の生徒が優秀な理由
アメリカのスタンフォード大学は、シリコンバレーに優秀な人材、起業家を生み出してます。
他のエリート校と違うのは、学生に「失敗を怖がらない姿勢」をもたせる教育をしていることです。
頭の良い学校に入学してくる子の多くは「自分は完璧でなければならない」と思い込んでいるそうです。
だから失敗を隠そうとしたり、完璧にできないと「自分には向いてない」とすぐ方向転換するので成長しない。
なのでスタンフォードでは「失敗は悪ではなく、重要なのは次にミスしないこと」と学生に叩き込むそうです。
子どもの完璧主義が、将来の成長をジャマするのは世界共通です。
※スタンフォード大学とは?
・クアクアレリ・シモンズによる2020年版世界大学ランキングで2位入賞(1位はマサチューセッツ工科大、東大は22位)
・英タイムズ紙による世界大学ランキング3位入賞(※2019年発表/1位オックスフォード大学、2位ケンブリッジ大学)
・スティーブ・ジョブズが卒業生に向けたスピーチが有名ですが、これはスタンフォード大学で行われたものです。
ほめる理由を正確に伝える
とにかく子どもを褒めれば良いと考えてはいけません。
100点をとってきた子どもに、理由もなしに「スゴイね」「天才だね」と褒めるのはダメです。
なぜなら、「ノーミス=素晴らしい=お母さん(お父さん)が喜ぶ」と子どもの脳にインプットされるからです。
だから間違えると、お母さん(お父さん)が悲しむから隠そう、こんな自分じゃダメなんだと怒り、悲しむのです。
「鏡の法則」というのがありまして、現実自分の目の前におきてることは、自分が巻いた種なんですね。
怒りやすい、短気、ズルい、調子に乗りやすい、、、、こんな感じで、目の前の子どもがやってることを性格のせいにしてはいけないんです。そもそもの原因は大人にあると認識しないと、この問題は前に進みません。
子どもを指導する保護者が先に現実を受け入れる。それが先なんです。
周囲の大人の接し方が変われば、ミスすることに拒否反応は少なくなっていきます。
しかし、このままでは「怒ったり、泣いたり」させない方法を話したにすぎません。
保護者の願いはそこではないハズです。
間違えても、そこから学んで次につなげられる大人に育ってほしいですよね?
なので、最後に脳科学の視点から「間違い」を解説します。
ここから、どんなアドバイスを子どもにしてあげられるかを考えていきましょう。
【脳は「間違える」から記憶しようとする】ことを教える
「間違うことの素晴らしさ」を子どもに教えるときは「脳科学」の話しをしてください。
「知らない情報」があると脳は記憶します。
ただし、生命をおびやかす情報に限ってです。
例えば、交通ルールを守らないと、車にひかれるかもしれない。
人間の本能がそうさせているんですね。
逆に言えば、命にかかわらない情報はスルーです。
(残念ながら脳にとって、学校で勉強する内容の優先事項は低いのです)
記憶させるには、この情報はとても重要だ、と脳にアピールすること。
なので「バツを消す→解き直す→◯にする」はいけません。
「できる」と脳が判断して記憶してくれません。
間違えたら赤で大きくバツをつけるべきです。
低学年の子どもは泣くかもしれませんが、親は絶対ひいてはダメです。
「間違えても良い」と子どもが納得するまで、気長にメッセージを発信してください。
「間違えた」とハッキリさせると記憶力は高まる
勉強ができる子に共通しているノートの型があります。それは間違いを消さず、逆に色ペンで強調して記録していることです。小中高、学年に関係ありません。
負けん気が強い子ほど、赤で大きなバツをつけます(男女関係なし)。
塾からに家に帰ったら疲れていても復習する! とノートや問題集の端を折ったり、付箋をはってました。
低学年のうちから「バツは成長の種なんだよ」と教えてあげる
「お母さん!花丸もらったよ!!!」と子どもが話してきたら、全問正解にではなく努力をほめてください。そして、、、
お母さんは、学校であったことをきちんと話してくれることが嬉しいんだと教えるのです。
じゃないと、子どもは「花丸だからお母さんは嬉しい。それ以外は悲しむから教えない」と考えてしまうからです。
仮に花丸じゃなくても、大事なのは次間違わないように勉強、工夫していくことだと。
子どもに分かるように説明してあげてください。
出来なかったことが出来るようになったことを喜ぶ
なぜ間違えたのか原因を探して次につなげる。
出来なかったことが出来るようになったときこそ、一緒に喜んでください。
「こういう正解の仕方でもいいんだ♪」と子どもに教えるのです。
一発正解は素晴らしいし称賛されるべきですが、悔しい思いをしてから努力して這い上がってくることはもっと素晴らしい。
この価値観を、保護者が身をもって子どもに教えてあげるのです。
間違えて泣いたり怒るのは、出来ないことが悪だと誤解しているから。
ゆえに、情報を修正する必要があります。
「前は出来なかったのに、できるようになってスゴイね」
こう伝えてほしいのです。
そのためには、日頃から子どもを観察していないと言えません。
ビフォー(出来ない)とアフター(出来るようになった)
両方の瞬間を見逃さない観察力が必要です。
見るだけでなく記録することをオススメします。
時間がたつと忘れてしまうので。
私は胸ポケットにメモ帳をいれて、どんな小さなことでもメモしています。
できることならバツ⇒マルの変化だけでなく、どんな小さな変化でも成長と捉えて教えてください。
こうすることで、自分の成長を外部ではなく自分で見つけられる大人になります。
私たちは、点数や合否、昇給や昇進など外部の評価で、自分の成長度合いを測ることが多いです。
しかし、これに慣れてしまうと大人になってから苦労します。
常に勝ち続けなければ自分の成長を確かめられなくなるからです。
理想は、人に依存することなく自分で自分の成長している点を探し、それをモチベーションにして努力を続けられる大人になることです。
そのためのスタートとして、まずは保護者が小さな変化を探して子どもに教えてあげる。
マルやバツ、点数だけが成長を測るバロメーターではないことを教えてあげてください。
・宿題で泣く子に悩んでるなら
次に>>「宿題ができない、分からないと泣く子どもの対処法」を読んでみてください。
・子どもの間違いにイライラするなら
次に>>「小学生の子育てでイライラしない方法。怒りたくない人へ」を読んでみてください。
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