中学生の成績を上げるには勉強させないといけません。塾で勉強する、家で勉強する、形式に関係なく本人のやる気やモチベーション維持がとても重要です。
子どもの勉強スタート直前にやるべきこととして、目標設定のやり方を過去に話したました。今回は続編として、中学生の子どもが自分で勉強するために必要な「壁の壊し方」について話します。
自分の壁を超えるのは自分だけど、子どもには親のサポートを
アナタの子どもには本人しか見えない大きな壁が5つあります。親が「勉強しなさい」と何回言っても聞いてくれない。「これからは勉強がんばるよ」と約束したにも関わらず3日坊主でもとの生活に戻ってしまう。塾に通わせても成績が上がらない。。。。
子どもの目の前にそびえ立つ大きな壁を取り除かないことには、いつまでも同じことの繰り返しになるでしょう。
壁とは何かについて具体的な例をあげてみます。アナタの回りに「私って◯◯じゃないですか?」と言う人はいませんか?これは「自分らしさ」という壁です。中学生以上なら誰でももっています。※言葉に出すかどうかは別として
壁の正体は「脳の思い込み、勘違い」です。心の問題は根深く、特に脳が一度認識したものはそう簡単に変えることができません。それに準じて行動が決まり習慣化してしまうので、悪い行動が見につくと無限ループから逃れられなくなります。
今回は中学生の子どもがいる親向けの記事です。しかし大人にも同じ壁があるので、自分にあてはめて考えると、内容を頭に落とし込みやすくなるかと思います。
子どもを勉強から遠ざける5つの壁
5つの壁とは「自分らしさの壁」「苦手意識の壁」「時間の壁」「過去の壁」「常識の壁」です。ひとつずつ解説していきましょう。
「自分らしさの壁」
自分はこういう人間だと頭の中で作り上げたキャラ。子どもの行動の多くを支配しているといって良いでしょう。
例えば洋服選び。、自分はこういうキャラだから、地味で目ただない服を選ぶという感じ。学校の先生の前では優秀な生徒でないといけない、自分は真面目でなくてはいけない、、本来の自分とのギャップが激しくなると精神的、肉体的なダメージは大きくなり反動がどこかでに生まれます。
中学校では勉強なんかしないで、友だちと騒ぎまくる自分でなければならない。じゃないとガリ勉だとからかわれて自分がいじめられるかもしれない。こう考える子どももいるでしょう。
これは例にすぎませんが、子どもだけでなく大人もキャラを演じているのではないでしょうか?
中学校で一番のワルと呼ばれた子どもが塾では真面目に勉強していることがありました。その学校の生徒が誰も通ってないことが幸いしたと思います。悪い自分を演じなくて良ければ、正しい目標設定さえできれば真面目に勉強してくれます。
「苦手意識の壁」
自分は数学が苦手。。。と一度思い込んでしまうと、なかなか抜け出すことができません。それほど無理しなくても学校の授業を聞いていれば解けるようになった問題までもがテストで落とすことになります。
苦手意識ができるということは、テストの点数が悪い、授業で学校の先生が言っている意味が分からない、中学だけでなく小学生のころの体験も含めて原因があるはずです。
「苦手意識の壁」があると、自信がないので自分で勉強するのに勇気が必要になります。なかなか家庭学習が始まらない原因になります。
苦手意識のレベルを越えて「嫌い」と断定されると、もはや聞く耳をもたなくなります。中学校の授業は聞きませんし、テスト週間になっても苦手教科はいつまでも勉強を始めてくれません。
「時間の壁」
勉強するには時間を確保しないといけません。「でも時間がないんだよね」と子どもは言い訳します。親でさえもスポーツや習い事が多いから仕方ないよね。。。というスタンス。
子どもの頭の中には「自分は勉強する時間がない。だから家庭学習できなくてもしょうがない」という思い込みができてます。
今日からゲームをとりあげてください。部活をやめさせてください。とは言いません。これらの対処法で学習時間を確保する効果は薄いことが心理学では判明していますから。
学習時間を増やすために時間を作る、、、というテクニックから入ると失敗します。どの人間にも等しく与えられている1日24時間がいかに貴重であるか、時間の使い方しだいで未来の生活が全然違ったものになること、こういうマインド的な部分から話さないといけません。まずは問題を自分ごととしてとらえてもらう必要があります。
「過去の壁」
前のテストでめちゃくちゃ勉強したけれども、良い点数をとれなかった。。。がんばっても点数が上がらないなら努力しないほうが良い。
こんな感じで過去の主に失敗したことが壁になって前に進めなくなる場合があります。自分では勉強したといっても、全然集中できてなければ意味がありません。そもそも努力したから成功すると考えることが間違っています。そうではなく「努力した者が必ず報われるとは限らないけれども、成功した者は努力していた」と教えなくてはいけません。
これは「常識の壁」とのミックスになるのですが、「がんばれば、努力すれば報われる」という価値観、常識を小学生や中学生におしつけすぎな気がします。
どんなに努力してもスポーツで1番になれるのは1チーム、もしくは1人です。もちろん努力する過程において学ぶことが重要なわけですけど、大人はそれを伝えきれているのか疑問です。ならば前述の通り、「努力した者が必ず報われるとは限らないけれども、成功した者は努力していた」と教えるべきではないかと思います。
子どもが勉強しようと思っても、過去の壁が立ちはだかりなかなか勉強する勇気が湧いてきません。
過去の定期テストはこのぐらいだったから、今回の目標点も同じくらいにしてしまう。こういう子どもは多いです。良くても過去の最高得点を目標にするくらい。これではそれ以上の可能性を初めから捨ててしまうことになります。
よく高校生の1回目のテストが重要だと言われます。それはまさに「過去の壁」の性質を利用した学習アドバイスなんです。
つまり高校の定期テストで最初は90点を取りました。高校生活が楽しくて勉強をさぼり次のテストでは70点に落ちました。これではやばいと思って勉強を開始。そんな子どもに目標点を聞くと、だいたい90点と答えます。なぜなら過去にとっているからです。
1回目のテストは範囲がせまくて、レベルも高校3年間のなかで一番低いでしょう。でも脳はそんなのに気にしません。何点とったかが重要なんです。
壁は自分で壊すしかありませんが、自己分析能力が弱い子どもに関しては、どんな過去が勉強をジャマしてるのかを調べると良いです。そしてどういう常識にとらわれてるのかも調べて壁を一気に破壊にするのが早いです。
「常識の壁」
これは「過去の壁」のなかでも登場しました。中学生になるまでに親やテレビや本、ネットで頭に植え付けられてきた固定観念です。よく働くこともあるし、悪く働くこともあります。
中学生の多くは卒業したら高校に行きますよね。理由を子どもに聞くと、みんな行くからという返事がかえってきます。どんなに勉強が嫌いな子どもでも、大学に行き気はないけれども高校には行きたいと答えます。高校は義務教育ではありませんが、常識になってますよね。親としては、勉強が嫌でも高校だけは卒業してほしいと願う方が多いですから、常識に救われているともいえます。
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