親が子どもに残せるものは何でしょう?一昔前なら家や土地、お金であったかもしれません。しかし今や子にとって悩みの種でしかありません。相続税も心配だし、離れた暮らす人は土地や家は不要ですから、、、
親が残せる財産とは何なのか? いろいろ意見はあると思いますが「教育」と考えるのが妥当なところでしょう。とはいえ具体的に考えてみるとこれが難しい(汗)
いい学校や会社に入れても幸せになれるかは別の話だからです。今ある仕事が10年後にどれだけ残っていることか、、、
わたしは思考停止しない大人に育てることが重要だと考えます。常に好奇心をもって情報収集して考える。時代や環境にあわせて自分をバージョンアップできる能力こそ未来を生き抜く力になります。今回はどのように育成するかを解説します。
思考の運動を止めない大人に育てる
「思考が停止した大人」にならないよう、子どもの考える力を伸ばしましょう。
親の価値観にあてはめて育てても良いことはありません。
子どもの「なぜ」を大切に、知りたいことを好きなだけ調べさせてあげてください。今はインターネットや本で何でも知ることができます
枠を越えないと生き残れない
「わたしの仕事は◯◯だから、、、」と枠を作る時点で思考が止まってます。
私立高校の教師は授業だけでなく生徒確保のために中学や塾に営業をしてます。地方公務員がローマ法王に地元の米を献上し、限界集落を蘇らせました。
JRの利益の大半が鉄道以外。東芝や日立は家電よりも、原子力、エレベーター産業などにウェイトをおく会社になってます。
今でさえ仕事に線が引けないのに、自分で限界を決めるといかに怖いか、親が教えないとダメ。
会社は社員の定年までのキャリア計画なんて考えません。転職されることも視野にいれて、最小投資で最大リターンを得られ方法をとります。
親が引いたレールの先にあるものは?
どんな社会でも自らの力で生き抜く力をどうつけるか? 親はそこに投資すべきです。レールを作ってあげれば安泰というのは、経済成長が前提にあった過去の話。
有名高校や大学を卒業することである程度の年収は確保できるでしょう。しかし一流企業と呼ばれる会社の中にも、過労死や自殺するほどのブラック企業があるわけです。親が子どもに良い学校や会社へのレールを敷いたところで何の保証もありません。
とは言うものの、子どもに生きる力をつけるというのは10年、15年前から言われてました。
なぜ今なのか?その理由は誰でも世界中の情報にアクセスできる時代になったからです。スマホさえあれば良質な情報をいつでも入手できます。かつては情報を誰よりも早く手にしたものがビジネスで成功しました。
日本はアメリカよりも10年遅れている」と言えたのは英語が理解できて情報にアクセスできたからです。それも過去の話です。
インターネットさえあれば満員電車でわざわオフィスに行かなくても働けます。
思考停止せずに行動できる大人に育てる。
社会人になったら一切の口出しはしない。
親の口出しで高まるリスクは2つ
老後破綻
親が口出しをすると2つのリスクが高まります。ひとつは親自身の老後破綻です。ガミガミと口出しすることで、何も決められない思考停止した大人になります。そんな依存症の人が社会でビジネスできるでしょうか?
さいごには金銭的なものにまで頼るようになります。自分の年金で子の面倒をみることになるかもしれませんよ。
親の価値観で子は成功できない
もう一つのリスクは、子どものほう。世代によって価値観は違います。時代や環境の変化に親があわせることができれば良いですが、人間そんなに柔軟ではありません。古い価値観で子に口出しをしても、失敗させるリスクを高めるだけです。
我が子のためにやってるつもりが、足を引っ張る結果になるのです。就職も結婚も仕事も、全て自分で決めさせないといけません。その判断ができる大人に育てるまでが親の仕事。あとは一切口出しはしないとするのが、双方にとって幸せになるための必須条件です。
思考停止させないための教育とは?
思考停止させないためには、「常に新しいものを知りたい!」と子どもにワクワクさせることが重要です。
子どもに与えるべきなのは「インターネット環境」と「読書環境」です。
1.子どもにインターネット環境を与える。
インターネットの情報なんて、誰でも見られるから価値がない、、、と思う人もいるかもしれません。それは間違いです。
ネットを上手く使える人とダメな人の差とは?
情報通と世間で認知されている人もネットから情報を入手してます。違うのは「何を」「どこから」というのが洗練されていること、そして情報の出し方がうまい。インプットとアウトプットへの努力が半端ないのです。
良質な情報を浴び続けようとする意志。
手に入れた情報から仮説を立てて分析
アウトプットの量がケタ違いに多い。
1日24時間、睡眠も7〜8時間
みんなと同じですよ。
違うのは何に一番時間を割くかの優先順が違う、意味がない人間関係の維持をLINEでする、目的なくユーチューブをダラダラみないだけです。
スマホを取り上げても勉強時間は増えません
子どもからスマホを取り上げることも時代遅れです。これから学校で主流になるアクティブラーニングでネットは必須です。タブレットを1人1台与え成果をだしてる学校もあるときに、スマホやタブレットを子どもからとりあげるといのは時代錯誤と言わざるをえません。
未来へのツールを奪うのではなくマインドセットしてあげましょう。LINEとにらめっこしているのは無意味な時間です。その時間で情報収集したりツイッターでアウトプットするべきです。
子どもをネットから遠ざけたい親の多くは、LINEとユーチューブでばかり遊んでること問題にしています。本来の課題はLINEで時間をつぶしてしまう状態なのです。子どもが夢中になれることがあれば、LINEばかりに気を取られることも、ユーチューブで動画ばかりを見続けることもありません。
子どもが夢中になれるものを見つけるためにはアンテナをはり探し続けないといけません。流された生活では思考停止状態なので、自分が本気で打ち込めるものが目の前を通り過ぎても気づけません。
まず親がやるべきことは、子どもからネットをとりあげないこと。強制執行したとしても勉強時間が増えるかと言えば「微増」で終わります。それよりも親への憎悪が激しくケンカばかりになりますよ。ハイリスク低リターンです。
1日1個、新しい情報を探してもらう
というルールを作りましょう。
なんとなくネットを見てしまう習慣が思考停止状態です。LINEやユーチューブが悪いのではなくて、何も考えずに惰性で開いてしまうのが問題なのです。
なので1日1個新しいものを探すという課題を作ってください。
課題をこなすことは「自制心」を育成する訓練にもなります。テストの点数で測れる認知能力よりも幼少期から身につく非認知能力のほうが大人になってからの成功への要因になる可能性が高いのです。
才能より「やり抜く力」が最後には勝つ
非認知能力は幼少期で基礎土台が完成しますが、自制心は大人になってからでも訓練で伸びることが分かってます。筋トレにように課題を日々クリアするだけです。
新しい情報を探すのはヤフーニュースでもスマートニュースでもかまいません。唯一ルールを作るとしたら、芸能ニュースはナシというのはいれたほうが良いかもしれません。見てもいいけど、新しいものを1個みつけてからとしましょう。
・次期アメリカ大統領にトランプ氏が選出された。
これも立派な情報です。「大統領は選挙で選ばれる」と分かります。
このニュースがきっかけで「なぜ、総理大臣は選挙で選ばれないの?」と疑問に思うかもしれません。
得票数はヒラリーさんのほうが多かったのに、どうしてトランプさんが受かったのか?と思うかもしれません。
大統領の選び方に興味をもつかもしれません。
「新聞もネットもヒラリーさんが受かると予測してたのに外した。。。間違うこともあるんだね」と思うかもしれません。
意欲+教養→思考が深まる
思考を深めるには基礎土台になる教養が必要です。ネットや本で情報収集を繰り返せばしだいに身につきます。ポイントはテーマを広めにすることです。思考が停止していると、自分が好きなものばかり調べようとします。
そこだけでなく他分野の知識をあわせることで、深い思考が可能になります。意識して自分の興味を広げる努力も、子どもにさせるようにしてください。
小学校と中学校で習う知識は教養、「考える力の種」になります。なので学校の勉強をおろそかにすることはできません!
暗記は無意味と考えてはいけません。クリエイティブな作業には暗記が必須です。そちらについては過去記事に詳しくまとめています。
分かりにくい授業を我慢しなくていい
子どもが学校や塾で受ける授業が、全て満足いく分かりやすいものとは限りません。「あの先生の言っている意味が分からない、、、」なんて愚痴を聞いたことはありませんか?
分かりやすい授業をしようと努力しない教師、不満を言っても対応してくれない塾、、、今までは我慢しないといけませんでした。でもそんな時代は終わってるんです。
インターネット環境があれば、勉強だってできます。リクルートが提供する「スタディサプリ」があれば有名予備校講師の授業が自宅で低料金で受けられます。
こういう教育サービスを賢く利用すれば高額な塾代を払わず進学資金にまわせますよ。
2.読書環境を作る
この流れで「読書」の話をもってくると「情報収集としての読書」と思われるかもしれません。たしかに良質な情報はネットだけではカバーしきれません。情報の鮮度だけ比較するならネットが優れていますが、思考の質なら本のほうが高いことが多いからです。
しかし読書は情報収集するだけのツールではありません。本を読むことは筆者と対話することです。そこから「他者思考」という枠組みがうまれます。
書き手の主張を正確に把握するためには論理展開を把握する必要もあります。主張の根拠が正しいものかを探す習慣もついてきます。
何よりも大きいメリットは「情報発信能力」が高まることです。これからの社会は、どんな職業につこうとも情報発信能力が高い人ほど、ビジネスチャンスをつかめます。
「読む」と「書く」は違うと思うかもしれませんが、密接に絡み合っています。文法が正しいというよりも、情報の質、思考の質が深い文章を書けるようになるのです。
他者思考を身につけると、自分よがりでなく相手が求めているものを提供できるようになります。どこかで見たようなコピペのような文ではなく、創造的なアイデアが提供できるようになります。
読書環境とは必ずしも本を買い与えることではありません。図書館を有効活用しても良いでしょう。
子どもに興味のある本を選ばせてください。親が選んでも良いですが、それだけでは問題があります。理由は親の思考が本選びに反映されてしまうからです。
宇宙に興味のない母親が、関連本を子どもに選ぶ可能性は低いですよね。「自由に選びさない」といえば、もしかしたら子どもは宇宙の本を選んだかもしれません。
子が親を超える瞬間は想像したくないことであり、幸せな瞬間でもあります。越えてもらうには、親が与えたものだけをクリアする子では不十分です。
知らないから不安、希望がないから無気力になる
ワクワクしている子どもは、狭い教室、学校、家庭しか知らないよりも「無気力」や「不安」に打ち勝つ力をもっています。
悩んでも対処法を本やネットで探すし、別の世界に行っても恥ずかしくないと確信できます。
いじめや不登校に悩む小学生の多くは「無気力」と「不安」が原因になっています。不登校の子どもが転校することで新しい人生を歩んでいる事例は本やネットをみればたくさん掲載されています。
子どもはなぜ現状維持するかといえば、逃げてもいいんだということを知らないからです。いじめは親に相談しにくいことです。インターネットや本があって、情報を探そうとさえすれば、対処法も新しい世界にもふれることができます。
思考停止させない教育は、親にもメリットがあります。自分の好きなことを仕事にするといのは過去には不可能でしたが、今はそれが誰にでもできるようになっています。
学歴を重視する考え方も否定しません。現に大卒と高卒では生涯年収に大きな差があるのは間違いありません。ただし平均値の話ではあり、現段階でのデータです。
高い学歴があっても思考停止しているなら生き残るのは厳しい時代になります。逆に学歴はふつうでも、高学歴の人よりも幸せになれる可能性が高くなります。幸せという定義は曖昧ですが、お金でもいいし、自分のやりたいことをやれてる満足度でもかまいません。
以上、子どもの考える力を伸ばす方法。思考を止めない子育てに「ネットと本」は必須。という話でした。
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