子どもに他者意識を育てることは重要です。自分の言いたいことを相手に伝えるだけではコミニュケーションにはなりません。小学生や中学生の間は何とかなっても社会に出てから困ります。なぜなら大人の会話とは何を話すかよりも、聴く姿勢と適切な返答が重要だからです。
今回は子育てを通して他者意識を育てる方法とリスクについて解説します。
他者意識の育て方
他者意識のない会話は家族や親友同士で起きやすいです。相手が分かっているだろうと錯覚したまま、言葉を省略したり、逆に知らない言葉を使ったり。分かりやすく筋道をたてて説明する気がないので、コミニュケーションが成立しません。
小学生や中学生の子育て中に、子どもに他者意識を育てましょう!何気ない親子の会話でも甘えてきたら厳しく指摘しましょう。そのままにすると家族以外との会話で困るようになります。
単語だらけの会話に喝!
親子の会話が単語だらけになってませんか?
「ごはん」「お風呂」「寝る」、、、
言葉を省略しても親子なら意志疎通はできるでしょう。しかし言葉を省くクセは家以外でもやらかす可能性もあります。
話し言葉だけでなく書き言葉でも悪いクセがでる場合もあります。小学生や中学生は学校を除くと生活の大部分は家で過ごします。相手を意識しない会話を家庭で習慣化させているようなものです。
もし子どもが単語で会話してきたら、「お母さんは「ごはん」ではありません」とか「「ごはん」が何ですか?」と言い返しましょう。
悪い習慣が抜けないと、、、
高校生になって友達ができたとしましょう。同じ中学校出身なら分かる話でも、別から来た子には分からないこともあるでしょう。相手を思いやる気持ちが必要です。
将来のリスク
小学生や中学生の活動範囲は学校と家周辺の狭い空間です。しかし高校、大学、社会としだいに活動範囲が広がり、背景や世代を含めさまざまな人と出会うようになります。
自分の目的を達成したいなら、他者の利益を考えることが必要です。
気になる異性がいるなら自分のアピールより相手の話しに耳を傾けてから行動すべきだし、
販売したい商品があるならメリットを一方的に話さず悩みをじっくり聴いて適切な提案をするべきですよね?
子どもが30代、40代で独身なら親としては焦りますよね。「いい人いないの?」と顔をあわせれば小言ばかりの毎日かもしれません。
めでたく大企業に就職できたのに、コミ症*1で上司からの評価は低く愚痴を言い合える仲間もいない。半年後にはニートで実家暮らし、、、、こんな未来はつらいですよね?
他者意識+倫理展開の理解=読解問題の得点アップ!
他者意識のある会話とは、相手に分かりやすく伝える意志があるコミニュケーションです。筋道をたて説明するので国語の読解問題にプラスの影響がでます。
現代文の問題は回答者のセンスやそれまでの読書量に比例すると思われがちです。しかしテストや入試の国語で問われるのは、論理展開を把握する力です。論理展開とは文書を分かりやすくするための筋道のことです。
他者意識がない子は、論理展開の把握が弱いので読解問題が苦手です。「うちの子は本を読まないからセンスがないの」と言う親もいますが、間違いです。テストはセンスで解くものではありません。
誰もが解答の根拠に納得できる問題以外は出してはいけないのです。現代文が苦手な子は論理展開を把握できてない。もっといえば他者意識が希薄なのです。
読解力は小学校のテストだけでは分からない
論理展開を正確に把握して作者の主張を見抜けるかどうか?この力が子どもにあるかどうかは、小学生だと気づきにくい。なぜならテスト問題がやさしいからです。授業中に習ってることの確認なので、それほど深く考えなくても丸がついてしまいます。
中学生になると教科書の文章やテストのレベルがあがります。さらに高校入試を意識した学力テストを受ける機会が増えるので、読解力のチェックは簡単にできます。
しかし、できることなら早いうちに「よむ力」をつけるべきです。小学生でも教科書以外の文章が入った問題集を本屋で購入して解かせましょう。初めて読む文章にどれだけ適切に回答できるかです。
1人で完結する仕事はない
「うちの子は人と話すのが苦手だから研究者とか、公務員がむいてるかも」とわが子の未来を心配している親もいます。
しかし残念なら、コミニュケーションなしで完結する仕事はありません。例えばエンジニアや研究者は予算を獲得するためにはプレゼンが必要です。会話ではありませんが、聞き手が一番求めているの何で、どんな順番で話せば伝わるのか? つまり他者意識を持たないと成功しません。
偉大なる発明王と呼ばれるトーマス・エジソン*2は、世間が必要とするものを発明しないと人は注目してくれないと語っています。
発明家といえば研究室にこもり好き勝手にしてるイメージがありませんか?たしかにエジソンは自分の興味のあるものに数多く取り組んでまずが、その結論が「他者意識の必要性」であったことは興味深いです。
他者の課題と自分は切り離すべきです
他者意識とは「自分外の相手を気にすること」です。他人の反応を気にするあまり、悩んだり不安になったりすることが人にはあります。◯◯さんは私のことが嫌いなみたい。こんなことをしたら変に思われないかな。
◯◯さんがどう思っているかは聞きもしないのに、あーでもない、こーでもないと悩むのです。自分の感情に従って決めればいいのに、こんなことをしたらバカみたいに思われないかと悩む人もいます。多くの場合、他人はそれほど気にしてません。
なので「コミニュケーションへの他者意識は必要!でもそれ以外は不要!」と子どもに教えてください。
他人に振り回されない生き方をさせる
「人間は自分のことばかりを気にする」「他人はアナタが思っているほど気にはしてない」という真実を子どもに教えてください。
小学生よりも中学生のほうが人間関係には敏感です。個人差はありますが、嫌われないかといつも気にしてます。悩んでいる時間があったら、勉強や好きなことに時間を使ったほうが有効です。この考え方は大人になってからも必ず役立ちます。
『嫌われる勇気*3』の大ヒットで有名になったアドラー心理学。アルフレッド・アドラー*4はすべての悩みは「対人関係の悩み」と言い切ります。
「過去のツライ記憶」「変われない今の自分」「未来への恐れ」、全て対人関係の中から生まれており他者の課題を切り捨てれば悩みや不安は消えると言いました。
思考停止させない
(誰も気にしてないのに)相手の顔色を見るクセがつくと思考が停止します。「これなら大丈夫だろう」と過去の経験を頼りに無難なことばかり。
行動がいつもワンパターンで「現状維持」が座右の銘になります。これでは変化の激しい社会を生き抜けません。
他者の評価のなかで生きると未来への可能性をゼロにします。子どもからみて「他者」は親も入ります。
親の何気ない一言が心に強く残ると、子どもは親の顔色を見ながら行動します。自分の価値観に合う子は可愛いと感じるでしょうが、可能性を狭めているわけです。
思い通りに育たないと悩む保護者も多いですが、ある意味健康的なことかもしれません。
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