子どもの学力を家庭で伸ばすチャンスは探せばいくらでもあります。学力を伸ばす場は塾や習い事よりも「家庭」です。「先生なら子どもを勉強させてくれる」を考えるのは間違いです。今回は小学生の学力をテレビニュースで伸ばす方法を解説します。
塾や習い事をあてにする前に家庭を整える
塾や習い事の教師が、「教育のプロ」だという保証はどこにもない。これを先にお伝えしておかないといけません。フランチャイズに加盟すれば教務経験がなくても教室が簡単に開けます。
教えたことがない人でも教室長になれるのです*1。たしかに優秀な講師がいれば問題ないかもしれません。しかし今は優秀な講師を確保するのが大変な時代なのです。一昔前なら塾のアルバイトは時給が高いほうでした。今は他の業種の賃金があがり、塾講師は割にあわないアルバイトになってます。
フランチャイズ本部の教育システムしだいですが、素人がみたら素晴らしいと思える箱物ばかり準備する会社が多いです。
まず塾や習い事を探す前に、子どもが学校を除けば大半を過ごすことになる家庭を学習の場にすることが大事です。塾や習い事に通わせても家で復習をしなければ成績は伸びません。家で勉強できない子どもがいる家庭は、自習スペースがついてる塾を探すことになります。
将来勉強するからと用意した部屋もむなしく、外にお金を払って勉強させることになるとは、、、と嘆いている親もいます。今や自習スペースだけでお金がとれる時代なんです。家庭学習を習慣化できなかった代償は、中3や高校生になってからの教育費として計上されることになります。
教材としてテレビニュースが良い理由
HikakinTVなど小学生向けのユーチューブ番組が多くなり、将来の夢に「YouTuber」がランクインする時代です。今の子はネットばかり、、、と思いきや文部科学省の調査によると「テレビを見る」が今も中心。
子どもとテレビの付き合い方をどうするべきか悩んでいる親も多いかもしれません。今回のテーマは「テレビのニュース」ですが、通常のテレビ番組とは別に考えてほしいです。
「一緒に勉強しよう!」と親のオーラを子供が感じると身構えてしまいます。まずは「気を消すこと」が重要です。そういう意味でテレビニュースという教材はおすすめ。
子供とテレビを見るのは「自然な流れ」だからです。
わたしは子供が小学生のうちから新聞を読ませて学力を伸ばすことをすすめています。しかし基礎学力や学年によってはまだ早い、きびしいこともあるでしょう。内容うんぬんではなく読めない字が多い。テキスト媒体の弱点です。
なので文字ではなく映像が中心になるテレビニュースを教材として着目するようになりました。これなら低学年でも大丈夫です。
「子どもにニュースは難しい」と思わない
ニュースは難しいから小学生に向いてない、、、と考えないように注意してください。親の決めつけが子供の成長の幅を狭めます。たしかに小学1年生に国際問題や政治の仕組みをまともに理解させるのは、ニュースを見るだけでは厳しいです。何かしらの手段でリサーチや解説が必要です。
この勉強法のポイントは親と子どもの会話にあるのです。まずはコミュ二ケーションです。ネットやゲーム、塾や習い事、共働きの増加で親の子の会話が少なくなっています。
テレビのニュースなら朝でも夜でもやってます。平日でも土日の休みでもいつでも見られます。ということは働いているお母さんでも大丈夫だし、平日帰りが遅いお父さんでも休みの日に一緒に見ることができます。つまり子の学力を伸ばすために、夫婦のどちらかに負担を強いる状態をなくすことができるのです。
無理してニュースを解説しなくて良い
はじめは難しいことを考える必要はありません。ニュース解説でおなじみの池上彰さんのように分かりやすい解説をしようと親が力む必要はありません。
テレビで流れるニュースで思ったことを子どもに話せばよいし、逆に子どもに質問してみるのも良いでしょう。
国際問題なら、ニュースに登場した国を地図でみつけるだけでも良いです。はじめはアメリカやドイツ、フランズやイギリス、ロシアや中国、韓国など主要な国を子どもと見つけると良いでしょう。なのでリビングには地図帳を常備しておいてください。
地図帳以外に、国語辞典や社会科の参考書(全学年分)を常備しておくと良いでしょう。キーワードにふれたらすぐに調べるクセをつけさせることです。子どもは親をまねします。親も家で辞書を引くようにすると、子の習慣化に効果的です。
思考の運動を止めない大人に育てる
わたしは「思考が停止しない大人」に育てることが親の役目だと考えています。新しいことに興味をもって情報収集を続け、実行できるように教育する。この過程で考える力に身につくし、教養としての基礎学力に身につけることができます。
2016年時点で中学2年生以下の子どもは新しい大学受験を受けることになります。(一部の学年は移行期間にあてはまる)どれだけ知識を習得してきたかを確認するセンター試験を継承しつつ、記述を含めたテストに変わります。
その流れからアクティブ・ラーニングという教育法が高校や中学、そして小学校でも広がっています。先生の話をじっと聞くのではなく、ネットや本などを利用して調べたり、みんなで話しあって問題を解決していく授業です。
日本の全ての教師が分かりやすい授業をできるわけではありません。下手な説明をじっと我慢して聞かないといけない可哀想な小学生もいます。そういう子たちには希望が見えてきました。
子どもからネットを奪うのはムリ!共存の道を考えるべき
インターネットや本を利用した情報収集を文部科学省が推奨するのですから、子どもとネットの距離を離そうとする時代ではないのです。
たしかにネット依存という言葉にある通り、LINEやユーチューブを意味もなく眺めるのは子の成長には毒になる可能性が高いです。しかしネットは毒にも薬にもなることを忘れてはいけません。
「受け身思考」は大人になっても変わらない
テレビニュースは親子のコミニュケーション、調べる習慣化に素晴らしい教材です。その先に、受け身ではなく目的意識をもった積極的なインターネットの使い方を身に着けさせましょう。
まずは一人で考える習慣を作ります。そして多様な価値観や意見にふれるためにLINEを利用するなら良いでしょう。あまり意味のない会話でLINEに時間をとられるのは無駄です。その割り切りができるようになれば立派な大人ですが、はじめはそう簡単にはいかないでしょう。
いきなり正解はみつかりませんので失敗も必要です。そこから改善して自分のためになる使い方をみつけられなければ頭が良くても、変化の激しい社会を生き抜くのはツライです。そういう意味で親の管理がきく小中高の時期に、新しいものや価値観にふれさせることは重要です。
テレビニュースからも、インターネットからも、読書からも、家にあるもので子どもの学力が伸ばすことができます。全て無料でやることは厳しいかもしれませんが、塾や習い事にかける費用を考えれば本当に少ない投資で済みます。何でも塾やい事で子どもの学力が伸びると思うのは危険なので、ぜひ家でやるべきことをやってほしいと思います。
*1:教える経験がないとダメとは必ずしも思いません。青山学院大学の原晋さんのように、普通の会社員から監督に就任して箱絵駅伝で優勝させている人もいます。
コメント