子どもが小学生のうちから中学英語の先取り学習をさせよう。
このようにお考えの保護者に、良い勉強法について解説します。
個別指導塾で15年間子どもたちに接してきた経験を語ります。
英語の先取り学習の前に、国語力をチェック!
たしかに英語を先取り学習することは大切です。中学生になってから慌てるよりも、ゆっく勉強できるメリットは大きいです。
しかし、先取りすることに意識がいきすぎるのも問題です。
正直言えば、小学6年生の1月から先取り学習をはじめても遅くありません。
なによりも優先すべきは国語力です。
なぜなら、母国語と第二言語では習得する過程がちがうからです。
文法を学んだから日本語を話せるようになったのですか?
この質問には「いいえ」と答える人がほとんどだと思います。
赤ちゃんは大人の話を耳にして、自然に覚えていくもの。
こういう認識があろうかと思います。
英語は母国語ではなく第二言語です。
英語(第二言語)の習得は日本語(母国語)の影響を強くうけます。
なぜなら英語のルールを学ぶとき、日本語で考えるからです。
基礎になる日本語の力がなければ、英語のルールもきちんと理解できません。
例えば「This」について考えてみましょう
This is my book.
「これは私の本です」
特に問題はないと思います。
しかし、このあとに
This book is mine.
「この本はわたしのものです」
という英語を習います。
Thisは「これ」と「この」の2つの使い方があります。
- 代名詞の「これ」
- 形容詞の「この」
を日本語で区別できないと、英語の構造を正しく理解できません。
「これは私の本です」も「この本はわたしのものです」も言わんとしてることは同じだから
This book is mine.
を訳しなさいといわれて、どちらで書いてもいいんじゃないの?
とはなりません。
たしかに会話では、どちらでも通じるでしょう。
しかし、問題はそこではなく、子どもが言語の構造を理解できてない。
しかも英語だけではなく日本語を。という致命的な部分をぼやかす傾向があるのです。
国語と英語はセット
英語の知識を脳に記憶させる過程を、洋服の収納に例えます。国語力がないと不利になるかが伝われば幸いです。
シャツ、パンツ、靴下、スボン、、、
ひとつのボックスにごちゃまぜにしたらどうでしょう?
探すのが大変ですよね。
なので、「靴下」「下着類」、、みたいに同じものを集めて区分けすると思います。
国語力が足りない子の記憶は、ひとつのボックスに洋服を詰め込むのと同じ。(区分けする仕切りがない)
最初は中身が少ないので、そこそこ対応できます。でも時間がたつにつれて、中身が増えてゴチャゴチャ、取り出しにくくなります。
脳の整理整頓がされてないと、記憶に時間がかかったり、テストで制限時間内にとけなかったり、デメリットばかり。
同じものを集めてまとめておけば、効率よくインプットできるし、必要なときに瞬時にアウトプットできます。
英語ができないのが問題ではなく、日本語を理解してないことが問題なのです。
なぜなら全ての学びは母国語で行われるからです。
英語ばかりでなく理科も数学も、社会もです。
日本語ができなくても数字なら大丈夫でしょ
とはいきません。
数学の数字は思考の一部を視覚化しただけにすぎません。
あたまのなかでは日本語で論理的に考えるわけですから。
言語には必ずルール(文法)があります。
世界各地の言語と比較して、日本語はルールがゆるいと言われてます。
英語は日本語よりもルールが明確です。
だからアメリカ人が日本語を習得しようとすると、とても苦労するのです。
「ルールがゆるい」=「習得が簡単」ではありません。例外が多く、逆に覚えるのが難しいのです。
子どもが小学生のうちに国語力を育ててないと、英文法を正確に理解できません。
- アルファベットを書けるようにする
- 英単語を覚えさせる
- 日常会話でよく使うフレーズを覚えさせる
↑これらは丸暗記でなんとかなります。
しかし、中学英語は英文法をしっかり理解しないとテストで点がとれません。
幼稚園、小学生のうちから英会話スクールに通ってる子でも学校のテストは70点ぐらしかとれない。。。
「勉強をみてほしい」という保護者に多く出会いました。
まずは小学生でならう日本語のルールをしっかり理解してるか。
ここをチェックしてください。
それと語彙力も足りなければ増やしてください。
中学になるとどうしても英数が中心になり
国語は後回しにされます。
本屋さんで、教科書に関係ない国語の問題集を購入してください。
どの程度とけるかをチェックしてみましょう。
できれば主語や述語など、日本語のルールについての問題も収録されてるものがベストです。
語彙は辞書で調べさせながら増やすのが一番ですが、難しいようなら語彙を増やすための書籍を準備するのでもokです。
タイムスケジュールとしては、子どもが小学6年生の12月いっぱいで仕上げることです。
冬休みがおわったら中学1年生の英語の先取り学習を始めると3ヶ月程度はやめにスタートできます。
中学英語の先取り学習に使う教材は、教科書準拠でないほうが良い
わたしが小学生に英語の先取り学習をさせるときは、教科書を無視して英単語と英文法の仕組みだけを教えてました。
英文法の構造を効率的に理解させるなら教科書は無視したほうが良いです。
「教科書準拠教材」がダメと言いたいのではなく
先取り学習においては適さないという意味合いです。
現に、中学の通常授業や定期テスト、入試対策に
わたしは英語の教科書ガイドをおすすめしてます。
英語の先取り段階においては
英文法のエッセンスを一気に学んでしまほうが
コスパが良いと考えてます。
大きく3ステップで考えると良いです。
- ステップ1:アルファベットの暗記
- ステップ2:英文法の核をマスターさせる
- ステップ3:その他の英文法をマスターさせる
ステップ2にある「英文法の核」とは、動詞の使い方を指します。
具体的にいうと、
Be動詞と一般動詞の使い方をマスターさせる
ということです。
それぞれに、肯定文、否定文、疑問文がありますので
合計6種類の使い方をはっきり覚えさせるということです。
英文法といえば、現在進行形、過去形、助動詞、比較級、受け身、現在完了など
さまざまな種類があります。
しかし文の作り方のルール、パターンは「一般動詞」か「Be動詞」の動きをしてるだけにすぎません。
個別指導15年の経験から言いますと、英文法で挫折してる子は「(覚える)種類が多すぎる」から、勉強する気になれない、一個ずつは覚えられるけれども混ざって出されるとわからなくなるケースが多いです。
実は、「一般動詞」と「Be動詞」を完全に理解さえ、それ以外の各単元で、どちらのパターンなのかを教えてあげると、そんなシンプルな話だったんだと、驚き喜んでくれます。
まずは、英文法の基礎になる「動詞」をマスターさせてください。
英単語の勉強法
英単語の勉強のさせ方に関しては、こうあるべきというのはありません。
例えば、英文法の問題をときながら、わからない単語がでたら辞書で調べさせる
というのも一つの方法だと思います。
もしくは英文法のテキストとは別に、単語帳を用意して一から覚えさせるのでもよいと思います。
中学入学まで何日あるかにもよりますが、時間があるなら中学3年間の英単語がまとめられてる単語帳を、時間がないなら中1で習う英単語のみをまとめた単語帳で良いです。
最初の段階では、英単語の意味を暗記させることに集中させます。
つまり、スペルまで正確に覚えられなくてもok
英単語の意味を覚えたら、発音やスペルまで覚えさせると良いです。
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