作文が書けない子供に悩んでる保護者向けの記事です。
どのような対策をすれば、作文が書けるようになるかを解説します。
個別指導15年の経験もふまえて、自宅でできるトレーニング法について話します。
何もしなくても作文がスラスラ書ける子もいれば、ずーと原稿用紙とにらめっこしてる子もいます。
両者の違いは「才能があるなし」ではありません。
じゃあ「書き方を知ってるかどうか」でもありません。
私の塾のメニューには、「作文」はないのですが保護者に頼まれることが多かったです。
国語の時間に、作文もあわせて教えてました。
結論から言うと、原稿用紙に向かって作文を書く前の準備で8割決まります!
作文の書き方を教えたら、スラスラ書けるようになった子供は、全体の2割もいません。
作文が書けない子供の特長
- 自信がない
- 心配性(石橋を叩いて割るタイプ)
- 会話が少ない
この3つが、作文を書けない子供の特長(性格)としてあげられます。
自信がない子供は、「これを書いたら怒られるかな」とあれこれ悩んで、いつまでも書き始めません。
心配性な子供は、自信がない子よりは書き始めるのが早いです。しかし、形式にこだわるので、その都度チェックしてあげないと前に進めません。
会話が少ない子は、自己肯定感が低いケースが多く、はじめから書こうしません。
子供の性格、考え方はどこで決まる?
自信がない、心配性、会話が少ない、、、これらの性格を否定するつもりはありません。
個性を尊重すべきだと思います。
ただ、作文を書くという意味では、足をひっぱる可能性が高いということです。
では、保護者はどのように対処すればよいのかを話します。
作文を書けない子供に、保護者がやるべきことは「書き方を教えること」ではありません。
作文を書かずに、書けるようになるトレーニング法
次の3ステップから始めます。
- ステップ1:子供が話しやすい空気を作る
- ステップ2:話を広げて、子供に新しい視点を作る
- ステップ3:記録を残す
ステップ1:子供が話しやすい空気を作る
「今日はこんなことが学校であったんだよ」と、子供が保護者に話しやすい空気が家庭にあるでしょうか?
仕事や家事などで忙しいと、話にくい空気感が漂うものです。
忙しいのは大人の事情であって、子供には関係ありません。
些細なことでも言葉にする機会を、家庭で増やすことが大事です。
話しやすい空気ができたら、次は聴き方です。
保護者は「聞き役に回ること。大人の基準で判断しない。承認すること」です。
別にアドバイスがほしいわけじゃない。ただ聞いてほしい
こんな想いは大人(特に女性)も持ってますよね?
自分ではそうしてほしいと思っていても、子供の話となると「ついついアドバイス的なことをして、話をさえぎってしまう人」がいます。
これはNGです。
話はさえぎらず、最後まで聴くことがポイントです。
男性脳と女性脳は違います。
この記事を、もしお父さんが読んでるなら、、、「アドバイスしない。聞き役に回る」と強く意識しないと、口を出してしまうので注意してくださいね。
子供が話し終わったら、承認してください。
ほめる部分があれば、ほめてあげましょう。(無理にほめなくても良いです)
ステップ2:話を広げて、子供に新しい視点を作る
子供の話の視点を、大人の力で少し広げてあげましょう。
深掘りする質問をします。
例えば「給食のカレーがおいしかった」という話題に対してなら
「なぜ美味しいと感じたの?」
と聞いてみます。
少し大きめの質問からはいったほうが良いです。
沈黙しても、黙って待ちましょう。
もし沈黙が続くようしてたら、二択で答えられる質問をしたり
「ママのカレーと、どっちが美味しい?」
「ママのカレーと何が違うかな」と比較対象を与えるのも良いです。
「ママのカレーよりも甘くて美味しかった」というのも立派な回答です。
「カレーは教室にどういう風に運ばれるの?」
と視点を変えるのもアリです。
これは、大きな鍋でカレーを煮込むと美味しくなる
という視点をもたせられるかのテストクエスチョンです。
もしも「ママと同じくらい美味しかった」というのであれば
「給食はどういう風にして食べるの?」という質問もアリです。
みんなで食べるから美味しいという回答を得られるかもしれません。
抽象的な表現をできるだけ具体的にもっていくことが、質問する趣旨です。
「給食のカレーがおいしかった」
⇒「給食のカレーは、ママのより甘くておいしい」
⇒「給食のカレーは、みんなで食べるので、おいしい」
⇒「給食のカレーは、大きな鍋で作るからおいしい」
こんな感じで、広げてあげるのです。
ステップ3:記録を残す(長期記憶のために)
最後は、記録を残します。
日記のようなものだと思ってください。
ただし、日記を書かせるのが目的ではありません。
作文を書く場合、目の前にあるのは原稿用紙と筆記用具だけです。
頭から話題や表現をひねり出す必要があります。
このとき、あてになるのは長期記憶に格納されてる情報です。
ステップ2で話したトレーニングをしても、それは短期記憶に残るだけで、いずれ忘れます。
それでは、いざ学校で作文を書くことになっても役に立ちません。
脳の長期記憶に残すことで、ステップ2で鍛えた話題や表現を、活かせるようになります。
長期記憶に残すには、反復させるのが一番です。
つまりステップ2でまとめたものを、何度も見返せば良いのです。
そのための記録です。
一番よいのは子供に記録させることですが、ステップ3では、特に誰が記録すべきかは重視しません。
汚い字で読み返せなくなるなら、保護者が記録しておくほうが良いです。
おすすめは複数年ダイアリーに記録することです。
3年でも5年でも10年でも良いです。
すると去年の今ごろは、こんなこと言ってたんだと親子で見るのが楽しくなります。
記録したら定期的に親子で見返したり、その後どうなったか話題をふってみましょう。
そうすることで、自分を気にしてくれてる、大事にされてると愛情を感じてもらえれば、ますます話しやすい空気が生まれます。
最初は、メモの習慣化からでも良いと思います。
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